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記事全文を読む→【世界の「最凶独裁者」列伝】フィリピン「麻薬撲滅戦争」で強権発動!ドゥテルテ大統領が「麻薬犯罪者は逮捕現場で即射殺」
「ヒトラーは300万人のユダヤ人を虐殺した。(フィリピンには)現在、300万人の麻薬中毒者がいる。私は喜んで彼らを虐殺しよう」
自らが掲げる「麻薬撲滅戦争」を、ナチスの指導者ヒトラーが行ったユダヤ人大虐殺になぞらえ、大統領就任からわずか半年で6200人もの売人や中毒者を殺しまくったのが、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ元大統領だ。
政治家で法律家だった父と、教師の母との間に生まれたドゥテルテは、子供の頃から人一倍、正義感が強い少年。司法試験に合格後、故郷ダバオで弁護士の道を歩み始めた。当時のダバオには暴力がはびこり、警察は汚職まみれ。
そこでドゥテルテは政界に身を転じ、副市長を経て1988年、ついにダバオ市長に就任する。真っ先に手を付けたのが麻薬撲滅と、それを助長してきた組織と当局の癒着根絶だった。
しかし、長年の腐りきった関係を断ち切るのは容易ではない。そこでドゥテルテは「悪党は法で裁くのではなく、自らの手で制裁を加える」という、まさに「必殺仕置き人」的着想で、「自警団」と称する麻薬犯罪者暗殺チームを組織。売人はむろんのこと、麻薬を所持しているだけでも容赦なく射殺する。その常軌を逸した言動が、裏社会を震え上がらせた。
そんなドゥテルテが国民の圧倒的支持を受けて大統領に就任したのは、2016年5月である。就任後の施政方針演説で、
「麻薬王や資金源、密売人の最後の一人が自首するか、あるいは投獄されるまでやめない」
そう公言した「麻薬撲滅戦争」は、さらに激しさを増していく。
麻薬犯罪に関わる者は裁判にかけることなく、逮捕現場で射殺。そんな事案が1カ月余りで1800件も発生し、死を恐れた麻薬犯罪者たちが次々と警察署に出頭した。フィリピンの刑務所は麻薬犯罪者で溢れ返り、雑居房は常に超過剰収容の状態だったという。
ドゥテルテは国内で麻薬を使用する外国人に対しても容赦はなく、
「違法行為をする外国人は、フィリピンの犯罪者と同じに扱う」
なんと、超法規的殺人の適用を示唆したのだった。これを批判した米オバマ大統領を「プータン・イナ(タガログ語で売春婦の息子の意)」と罵り、苦言を呈するローマ法にまで暴言を吐く始末だった。
一方で、大の親日家として知られ、2011年の東日本大震災時には、真っ先に被災者の受け入れを表明。そんな縁があり、トランプ氏が米大統領就任した2017年には、当時の安倍晋三総理が仲介して会談が実現。オバマ政権以降のギクシャクした両国関係に改善の兆しが見えた。
そんなドゥテルテは麻薬戦争での「過剰な取り締まり」が国際刑事裁判所(ICC)の捜査対象となり、大統領退任後の今年3月に逮捕された。現在はICC本部で拘束中だ。
とはいえ、フィリピンでは凶悪犯罪を撲滅させた偉人としていまだ人気が高く、5月12日に投開票されたフィリピンの中間選挙では、ICCに拘束中の身ながら、ダバオ市長選に当選、再任された。ちなみに次男のセバスチャン・ドゥテルテはダバオ市の副市長。市長が不在中は副市長が職務を代行する、としている。
(山川敦司)
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