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記事全文を読む→前駐豪大使・山上信吾が日本外交の舞台裏を抉る!~「武士は食わねど高楊枝」でも…「国家公務員の月給3.6%増」は結構なこと~
毎年恒例の人事院勧告。今年は、国家公務員の月給を平均で3.6%引き上げる大幅なベースアップを求めた。月給の上げ幅が3%を超えるのは1991年以来であり、キャリア官僚の初任給が初めて30万円を超える水準になるとされた。
若手の中途退職者が引きも切らない霞が関にあって、優秀な人材を確保しなければならないとの危機感を反映したものだ。こういうニュースを報じる段になると、オールドメディアの一部から、「民間の苦労を知らないのか」などと弱者の味方を演じる輩が出てくるものだ。
問題は、その際の「民間」をどう定義するかだ。キャリア官僚になるような学生が就職先として天秤にかけるのは大企業だからだ。その意味で、官民給与を比較する対象となる企業規模を、本省の場合には東京23区に本店のある1000人以上の企業規模としたのは妥当だ。
実際、霞が関に40年も身を置いて痛感してきたのは、給与待遇面での「官民格差」の拡大である。1980年代半ばに外交官試験を目指して勉強していた頃、大手銀行や商社関係者から聞かされたのは、「うちに来れば初任給は2倍だよ」という囁きだった。
ところが、その差が今や3~4倍に開いている模様だ。優秀な法学部の学生は国家公務員試験か司法試験にチャレンジするのが長年の習わしだが、いわゆる5大法律事務所に行けば一年目から年収が1000万円を超えることも珍しくないと聞かされた。
初任給以上にもっと深刻なのは、昇給のペースと幅だろう。
主要官庁の事務次官の年収は2500万円前後とされるのに対し、大手メーカーや商社の中には社長の年収が7~8億円に達しているところもある。某エネルギー会社では、役員の年収は4000万円を超えるように設定していると聞かされた。
今回のベースアップにより、本省で働く40歳室長の年収が初めて1000万円を超えることになる。自分の役人生活を振り返っても、子供の教育費などで出費がかさむ時期に収入が追い付かなかったので、結構な展開だ。所詮公務員の収入では二人の子供を両方とも中学から私立に送ることは無理であり、実家の支援が不可欠だった。しがない話だが、大使として在外に出るまで預金通帳の残額が100万円を超えることなど、まずなかった。給料がせめて1.5倍あったらと皮算用をしたのは苦い思い出だ。
こんな生活をしていると、知らず知らずのうちに人間が小さくなる。
自分の稼いだ金で遊ぶ余裕がなくなり、流行りのレストランや観劇に行く贅沢など差し控えることになる。特命全権大使として在外に赴任する者たちのスーツが年々安っぽくなっているとの指摘の背景には、こうした事情がある。
また、「良いもの」を知らないことによる底の浅さは悲しい。在外の日本大使公邸での会食に出向いた民間人がしばしば指摘するのは、大使公邸のワイングラスのみすぼらしさだ。爪に火をともすような生活をしている役人に、そうしたセンスや審美眼を身に付けろと言っても土台無理筋なのだ。
日本国で最高であるはずの教育を受けた人間が国家・国民の為に働かず、外国のコンサルティング会社や投資銀行に流れていく。途上国や占領期ではあるまい。これでは国益の確保はおぼつかない。
●プロフィール
やまがみ・しんご 前駐オーストラリア特命全権大使。1961・年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、84年・外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、ワシントン、香港、ジュネーブで在勤。北米二課長、条約課長の後、2007年・茨城県警本部警務部長を経て、09年・在英国日本国大使館政務担当公使、日本国際問題研究所所長代行、17年・国際情報統括官、経済局長を歴任。20年・駐豪大使に就任。23年末に退官。同志社大学特別客員教授等を務めつつ、外交評論家として活動中。著書に「中国『戦狼外交』と闘う」「日本外交の劣化:再生への道」(いずれも文藝春秋社)、「国家衰退を招いた日本外交の闇」(徳間書店)、「媚中 その驚愕の『真実』」(ワック)、「官民軍インテリジェンス」(ワニブックス)等がある。
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