政治

「尖閣諸島に中国が海上ブイ」をめぐる女性閣僚2人の激突と「ポスト岸田」バトル勃発

 沖縄県尖閣諸島周辺の排他的経済水域(EEZ)に中国が設置したブイについて、岸田政権で閣内不一致が起きている。上川陽子外相は国連海洋法条約など国際法に関連規定がないとして、撤去に慎重姿勢を示したのに対し、高市早苗経済安全保障担当相は「日本が撤去しても違法ではない」との見解を示したからだ。

 高市氏は10月28日、自身のYouTube番組で、中国の海上ブイについて「本来なら(日本が)撤去すべき」とし「放置はできない」と強調した。11月3日夕にはXへの投稿で「(中国のブイ設置は)『国連海洋法条約』違反ですが、同条約には『撤去』に関する規定がなく、今も外務省が中国に撤去を要請中。規定がないなら日本が撤去しても違法ではないと思うが…」と発信した。

「この2人の意見対立は、ブイをめぐる対応だけでない。『ポスト岸田』も絡んでいる」

 と明かすのは、さる閣僚経験者だ。

 高市氏は2021年の自民党総裁選で、岸田文雄総理と争った。10月3日のBSフジ「プライムニュース」に出演した際、来年9月の自民党総裁選について、担当相として「セキュリティー・クリアランス(安全保障上の機密を扱う人の適格性評価)を仕上げさせていただいた後に」と前置きした上で「また戦わせていただく」と述べ、事実上の立候補表明を行っている。

 一方の上川氏は岸田派の一員として政権を支える立場だが、岸田総理の支持率がこのまま低迷を続け、総裁選出馬断念に追い込まれた場合には、後継候補に名乗り出るのではないか、との観測が出ている。上川氏を外相に起用することは、岸田総理の後ろ盾である麻生太郎副総裁も推していた。

 2021年の総裁選では、安倍晋三元総理が高市氏を支援したが、安倍氏が暗殺された後、高市氏を取り巻く状況は厳しくなった。対して上川氏は麻生氏だけでなく、岸田総理とは距離を置く菅義偉前総理とも関係が良好であり、いったん出馬に踏み切れば、一気に「女性初の宰相」という流れができるかもしれない。先の閣僚経験者は、

「高市氏としてもブイ撤去を主張することで、中国に配慮する上川氏との立場の違いをアピールする意味合いがあったのだろう」

 岸田総理の求心力が急激に低下する中で、「ポスト岸田」に向けた女性政治家たちの動きが活発化しそうである。

(喜多長夫/政治ジャーナリスト)

カテゴリー: 政治   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    「男の人からこの匂いがしたら、私、惚れちゃいます!」 弥生みづきが絶賛!ひと塗りで女性を翻弄させる魅惑の香水がヤバイ…!

    Sponsored

    4月からの新生活もスタートし、若い社員たちも入社する季節だが、「いい歳なのに長年彼女がいない」「人生で一回くらいはセカンドパートナーが欲しい」「妻に魅力を感じなくなり、娘からはそっぽを向かれている」といった事情から、キャバクラ通いやマッチン…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , |

    今永昇太「メジャー30球団でトップ」快投続きで新人王どころか「歴史的快挙」の現実味

    カブス・今永昇太が今季、歴史的快挙を成し遂げるのかもしれないと、話題になり始めている。今永は現地5月1日のメッツ戦(シティ・フィールド)に先発登板し、7回3安打7奪三振の快投。開幕から無傷の5連勝を飾った。防御率は0.78となり、試合終了時…

    カテゴリー: スポーツ|タグ: , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
元木大介が明かす巨人監督「長嶋茂雄と原辰徳」選手との食事に見る「決定的な違い」
2
都はるみ「引退⇒復帰⇒活動停止」そして矢崎滋と東北ビジネスホテル暮らし/壮絶「芸能スキャンダル会見」秘史
3
LE SSERAFIM・NATURE・NewJeansの「対立・活動終了・空中分解」…韓国ガールズグループに「騒動の連鎖」
4
プロ野球 セパ「12球団の一平ちゃん」を暴く!(4)山川穂高に西武ファンの怒りが爆発!
5
前園真聖マヌケ大失態!RX-7を買って運転免許合宿に行ったらひとり取り残された