社会

江戸時代に20万人の罪人が「火あぶり」「はりつけ」で処刑された「鈴ヶ森刑場」に現れる「着物姿の幽霊」

 今年5月、国際的人権団体「アムネスティ・インターナショナル」が、世界各国の死刑制度についての報告書を発表した。それによれば、昨年1年間での死刑執行数はおよそ883件で、過去5年の最多記録を更新。ただ、この数字は死刑に関する情報公開を行っている国からの報告なので、実際にはこの数倍あるのでは、とみられている。

 日本では死刑宣告を受けても、執行前に獄中で死亡してしまうケースが少なくないほど、執行そのものが減少傾向にあるが、とはいえ、400年前の江戸時代には数十万人という受刑者が連日、刑場で処刑されていたことも、よく知られる話だ。

 そんな刑場のひとつが、1651年(慶安4年)に開設され、1871年(明治4年)に閉鎖されるまでの約220年の間に、おおよそ20万人の罪人が処刑されたと言われる、東京都品川区の鈴ヶ森刑場だ。江戸の文化に詳しい専門家が語る。

「江戸時代には北の入り口にあたる、現在の日光街道沿いに小塚原刑場があり、東海道側の南の入り口には芝高輪刑場、芝口札ノ辻刑場という刑場が置かれていました。ところが南側が手狭になったことで品川に刑場が移され、鈴ヶ森刑場と命名されたわけです。鈴ヶ森は放火や親殺しなど、ほかの刑場よりも重い罪を犯した罪人が送られてくる場所で、そのため処刑法も、ほかにはない『火あぶり』や『はりつけ』があった。さらには東京湾沿いという立地もあって、海で水磔による処刑も行われたとの記録も残されています」

 水磔とは、逆さ吊りにして溺死させる方法を指す。

 鈴ヶ森で処刑された罪人の中には、平井権八や天一坊、八百屋お七、さらには伝説の窃盗犯「鼠小僧次郎吉」も含まれていたという説があり、刑場跡には現在も「首洗いの井戸」、はりつけや火あぶりで使われていた台の礎石が残されている。

 そんなこともあってか、閉鎖から150年以上を経た今も、周辺では「着物姿の幽霊を見た」「不気味な声を聞いた」などの目撃談があとを絶たず、都内有数の心霊スポットとして、その名を轟かせている。

 鈴ヶ森刑場跡は1954年に東京都指定文化財の指定を受けたが、心霊スポットとしてだけでなく、江戸文化を学べる「史跡」として訪ねるファンも多いという。

(ジョン・ドゥ)

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