スポーツ
Posted on 2024年05月14日 17:58

高柳調教師の「煙幕発言」は「勝負度合い満点」の裏返し/【ヴィクトリアM】ブービー人気「テンハッピーローズ激走」の舞台裏(後編)

2024年05月14日 17:58

「僕はテンハッピーローズでGIを獲りたい。今回の阪神牝馬ステークスでの着順の如何にかかわらず、次のヴィクトリアマイルにはぜひ出走させて下さい!」

 前編では、5月12日に東京競馬場で行われたGI・ヴィクトリアマイル(4歳以上牝馬、芝1600メートル)で、ブービー人気(15頭立て14番人気)のテンハッピーローズ(牝6歳)を「まさか」の1着へと導いた津村明秀(美浦、フリー)が、前走のGⅡ・サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(芝1600メートル)に向かう際、オーナー(馬主)や調教師らを前に概略、上記のように「進言」していた事実を明かした。

 しかも津村はこの時、同日に中山競馬場で行われるGⅡ・ニュージーランドトロフィー(3歳、芝1600メートル)で、師匠と仰ぐ鈴木伸尋調教師(美浦)から依頼されたサトミノキラリ(牡3歳)への騎乗をあえて断り、阪神牝馬ステークスに出走すべく、テンハッピーローズとともに「西下」したのだった。

 しかし、人馬ともにGI初制覇となったヴィクトリアマイルでのテンハッピーローズ激走の「サイン」は、これだけではなかった。

 前走の阪神牝馬ステークスでは、ヴィクトリアマイルで1番人気(単勝2.3倍)に推されたマスクトディーヴァ(牝4歳)と0.4秒差の6着に肉薄している。にもかかわらず、ヴィクトリアマイルでのテンハッピーローズの単勝人気は208.6倍。この一事をもってしても、まさに絵に描いたような超穴馬、いわゆる「人気の盲点」に該当する「お宝馬」だったと言える。

 それだけではない。同馬を管理する高柳大輔調教師(栗東)は戦前、「テンハッピーローズは1400メートルがベスト。今回のマイル(1600メートル)はどうかなぁ…」などと、競馬マスコミに対して「泣き」を入れていたのだ。

 ところがフタを開けてみれば、何のことはない、並み居るGI馬を退けての、目の覚めるような圧勝劇。高柳調教師の弱気発言は、まさに自陣営の「勝負度合い」の高さを他陣営に悟られないための「煙幕」だったと言っていい。

 津村の鬼気迫る懇願、前走で示した互角の能力、そして高柳調教師の煙幕。舞台裏を詮索するオールドファンであれば、間違いなく「ピン」と来たはずである。(終わり)

(日高次郎/競馬アナリスト)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    スポーツ
    2026年06月24日 07:15

    ドジャース・大谷翔平の第二子誕生をめぐって、フェミニストを名乗る女性たちがSNS上で「多産DVだ」「年子出産は女性虐待だ」と騒いでいる。大谷夫妻は昨年4月20日に第一子誕生を報告、この6月20日に第二子誕生をアナウンスした。これら誹謗中傷コ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年06月24日 11:30

    一発出たら同点。3-7と4点をリードされて迎えた7回裏、二死満塁の場面。この日いちばんの勝負どころで、広島・新井貴浩監督がベンチから送り出した代打は捕手・石原貴規だった。結果は空振り三振。最大の山場でなぜ、より長打を見込める打者を送り込まな...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年06月24日 13:30

    これはトレードのショーケースなのだろうか。そう思ってしまったのは、阪神タイガースの梅野隆太郎捕手が2軍から再昇格し、6月23日のヤクルト戦に即スタメン出場して攻守に高い能力を見せつけたことだ。1-0とリードした5回に二塁打を放ってチャンスメ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/6/23発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク