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記事全文を読む→美川憲一「『タンスにゴン』は自転車を猛練習」/テリー伊藤対談(3)
テリー 乗れなかったら困るじゃないですか。どうしたんですか。
美川 だから、ちあきに「私、悪いけど自転車に乗れないの」って言ったら、「あら、大変。どうするの?」って言われて。でも「ちあきさんの後ろから歩いてきて、『もっと端っこ歩きなさいよ』って言うのも変でしょう?」って言って。それでお昼の休憩時間に、お弁当も食べずに必死で練習したのよ。「人のいないところで練習してくる」って、ちあきさんに言って。
テリー でも、そんなの1時間かそこらですよね。
美川 だから、やっぱり本番でヨタヨタしちゃったわよね。でも、そのヨタヨタ感が「やっぱり役者さんだけあってうまいですね」って誉められたのよ。
テリー 美川さんってツキがありますよね。
美川 私のオネエキャラが生まれたのは、あのCMからですからね。それから私の芸能生活はガラッと変わりました。
テリー だって、それまではスーツ着て歌ってましたよね。
美川 そうよ。「紅顔の美少年」だったんだから。直立不動で、しゃべらない、動かない、笑わない、「3ない歌手」って言われたぐらいですから。
テリー 大ヒットした「柳ヶ瀬ブルース」の頃もそうでしたよね。でも、そんな美川さんがあんな派手な衣装で、小林幸子さんと紅白で対決するんだから人生ってわからないですね。
美川 イリュージョンだとか言って、あっちへ飛んだり、こっちへ跳ねたり(笑)。
テリー ああいう衣装って何カ月ぐらい前に決めるんですか。
美川 私はギリギリまで決めませんでした。さっちゃん(小林幸子)は機械で大きくなったりするから、随分前から用意してたんでしょうけど。私はイリュージョンだから、保険に入ったり、そっちの方が大変でした(笑)。
テリー そうか、あれ保険に入るんですね。失敗したら大事故ですもんね。
美川 そうですよ。失敗がなかったからいいですけど。さっちゃんは1回、失敗したんですよ。
テリー 衣装の電飾が点かなかったんでしたっけ。でも、ああいう衣装って、どうするんですか。
美川 処分しました、全部。解体して、捨てました。
テリー 捨てちゃうんだ。
美川 だって、必要ないでしょう。着ないもの。
テリー 置いておく場所もないですよね。
美川 はい。別のステージで使い回すわけにもいかないし。何かみみっちいじゃない。「まだ使ってるの?」「紅白に未練あるんでしょう?」なんて言われそう。
テリー でも、ああいう衣装って高いんですよね。
美川 そりゃあ、すごいですよ。何十カラットのダイヤの指輪とか、宝石も一緒に買ってましたから。
テリー うわぁ。そうすると、紅白の出演料に見合わないですよね。衣装だけで1000万ぐらい使っちゃうわけじゃないですか。
美川 もっとですよ。
テリー あ、そうなんだ。じゃあ、オファーはうれしい反面、また大金が出てっちゃうから痛し痒しですね。
美川 だから、終わった時にホッとしましたよ(笑)。
テリー ハハハハハ。
美川 それにしがみつきたい人も多いじゃないですか。だけど、あのいい時代だったからできたわけで、今は紅白も変わってますからね。
テリー だから、美川さんは一番いい時代を歌手として過ごしましたよね。
美川 そうですね、昭和40年代ですからね。一番いい時代です。黄金時代ですから。そういう意味では幸せでしたよ。
ゲスト:美川憲一(みかわ・けんいち)1946年、長野県生まれ。高校を1年で中退し、東宝芸能学校に入学。1964年、「第17期 大映ニューフェイス」に合格。1965年、シングル「だけどだけどだけど」でデビュー。1966年の「柳ヶ瀬ブルース」が120万枚を売り上げる大ヒットとなり、映画化もされ、初出演。その後も「釧路の女」「さそり座の女」など次々とヒットを飛ばす。その後、コロッケのモノマネや「タンスにゴン」のCMで注目され、ワイドショーやバラエティー番組に進出した。今年6月、デビュー60周年を迎え、「歌手生活60周年記念 美川憲一 コンサート2024」が6月6日(木)の大宮ソニックシティ大ホールからスタートする。
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