社会
Posted on 2024年08月04日 05:55

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<水虫>かくのは厳禁!「股部白癬」の感染も!?

2024年08月04日 05:55

「水虫」が足の裏のメラノーマ(悪性黒色腫)の発生と相関することが、東京慈恵会医科大学の研究グループによって発表された。

「水虫」は白癬菌というカビの一種による感染症だが、皮膚表面のケラチンというたんぱく質を栄養として繁殖する。

 主に4つのタイプがある。

①「趾間型」は、足の指の間に発症して皮がむけてかゆくなったり、時に赤くなったり白くふやけて皮膚がジュクジュクする。

②「小水疱型」は足の裏や側面に小さな水疱ができ、強いかゆみや赤みを伴う。

③「角質増殖型」は、かかとを中心に足の裏の皮膚が厚くなりガサガサになる。

④「爪水虫」とは、爪の間に白癬菌が入り爪が白く厚くなる。

 治療は、基本的にクリームや液状、軟膏など抗真菌薬の塗り薬が有効だが、時には飲み薬で対処するケースもある。症状が出ていない部分にも菌が存在していることもあるため、患部より広めに塗ることだ。また、水虫は、皮膚の傷で菌が入りやすくなり、他の菌が入り込んで、股部白癬(インキンタムシ)、体部白癬(ゼニタムシ)、頭部白癬(シラクモ)といった、足以外の感染を招く可能性があるため、かゆいからといってかいてしまうことは厳禁だ。

 一番の予防法は清潔さを保つことに尽きる。足の指をよく洗い、しっかり乾燥させ、洗う時には皮膚を傷つけないよう優しく洗うといいだろう。次に蒸らさないこと。白癬菌は高温多湿により活発になる。通気性のよい靴や靴下をこまめに履きかえるといいだろう。さらに、共用部分に気をつけたい。足拭きマットやバススリッパなどの共用で感染するケースも多い。足を乾燥した状態を保ち水虫対策を万全にしたいものだ。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク