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記事全文を読む→サル痘変異株でWHOが緊急事態宣言!見た目は超可愛くても旅先の小動物が持っている「殺人ウイルス」
次から次へとよくもまあ、新しいウイルスが出てくるものだ。
このほどWHO(世界保健機関)が宣言した緊急事態は、これまでのサル痘「エムポックス」の変異株がアフリカ中部のコンゴ民主共和国でアウトブレイクし、アフリカ以外に広がるおそれがある、というものだった。
さっそく、首都キンシャサから1万キロ離れた北欧のスウェーデンで、アフリカ以外で初めてこのサル痘変異株に感染した重症患者がいることがわかった。
「患者はアフリカ滞在中に感染したとみられ、一般市民に与えるリスクは非常に低い」
スウェーデン政府は冷静な対応を呼びかけている。
というのも、サル痘の感染経路は主に2通りあり、性行為を介したものか、感染地域の野生動物との接触がほとんど。感染者の発疹や体液、感染者が使用した寝具、飛沫からも感染するが、飛沫感染は「顔と顔を近づけた状態で過ごす」場合に限られており、今のところ感染者と同じ飛行機に乗り合わせた程度でうつるリスクは極めて低いとされる。従来のサル痘の死亡率は1%から10%だが、変異株の死亡率はまだ不明だ。
スウェーデン政府が言う「一般市民のリスクは低い」とは、HIVやエボラ出血熱の感染リスクが高いアフリカで「迂闊な行動」をとるような人に限られている、の意味でもある。日本人ビジネスマンや観光客が注意すべきなのは、ポケットモンスターのような可愛い小動物との接触と、十分に加熱されていない食事からの感染だ。
アフリカ大陸に生息するサル、あるいはウサギ、プレーリードッグ、ネズミなどの齧歯類がサル痘の宿主とみられており、これらに噛まれたり、引っ掻かれたりすれば、サル痘や狂犬病に感染する。サルを食べるのはハリウッド俳優ハリソン・フォード演じるインディ・ジョーンズくらいだろうが、現地の野生のウサギを使ったジビエ料理には注意が必要だ。
日本は狂犬病が蔓延していない国であるため、観光先での「平和ボケ」は相変わらずで、国外で野生動物に噛まれても病院を受診しない人がいる。もし噛んだ動物が殺人ウイルスを持っていたとしたら、サル痘なら6日から15日、狂犬病なら20日から60日、ペストなら1日から7日間の潜伏期間を経て発症する可能性がある。
日本国内では、HIVの加療中だった埼玉県在住の30代男性が、昨年12月にサル痘で死亡。狂犬病については、2020年にフィリピンで犬に噛まれて帰国した日本人男性が死亡した、との報告例が上がっている。
見た目が可愛いからといって、海外のリスやウサギ、プレーリードッグにはむやみに近づかず、手を出さないこと。もし噛まれたり引っ掻かれたりしたら、直ちに現地の病院を受診してほしい。
ひとつ懸念材料があるとすれば、サル痘は1980年に撲滅したと言われる天然痘の仲間であるということ。天然痘ウイルスはアメリカとロシアで保管しているが、感染力と致死率が高い天然痘ウイルスが手に入らない代わりに、新たに変異した「サル痘」を生物兵器に悪用する「ならず者国家」やテロリストが出てこないことを、ひたすら祈るしかない。
(那須優子/医療ジャーナリスト)
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