芸能

算定根拠が曖昧すぎて「法廷闘争」に発展してしまった旧ジャニーズ「性被害者の補償額」

 ジャニー喜多川氏の性被害者で結成された「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(現在は解散)の元代表・石丸志門氏が10月8日、一部メディアの取材に明かしたのは、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)による補償額だった。

 さいたま簡易裁判所で行われたSMILE-UP.との第3回調停で提示されたのは2000万円。補償額の算定は通常、被害者救済委員会が行うが、石丸氏が掲示額1800万円に不服を申し立てたところ、SMILE-UP.が独自に補償額を見直し。しかし算定額の根拠については「合理的な説明ができるかは分からない」と曖昧な回答だったという。

 石丸氏は、元担任の男性教師から性加害を受けた男性が損害賠償を求めた裁判で、元担任男性に慰謝料など約4000万円の支払いを命じた判決を、主張に盛り込んだという。

「着々と補償業務は進んでいるものの、補償額の算定については『基準が明確ではない』という指摘が出ていたので、基準や金額を明確にすべきでした。石丸氏はすでにメディアに顔を出して主張しているので、かなり強気で法廷闘争に持ち込みましたが、すでに受け取った補償額に不満を抱いている被害者は多いはずです」(全国紙社会部記者)

 SMILE-UP.は昨年、東山紀之社長が会見で「法を超えた補償をする」と宣言していたが、参考にしているのはどうやら、海外での性加害事件の事例だったようだ。

 イギリスの元テレビ司会者ジミー・サヴィルの死後、500人以上への性加害が発覚。サヴィルの遺産から補償額が算定されたが、全ての当事者に対して、ひとりあたり1100万円を請求の上限とすることを裁判所が承認している。

「補償額については被害の程度と期間、被害後の症状によっては十分な額とはいえず、有識者による議論が行われていました。おそらくSMILE-UP.はこの金額を上限としているようですが、やはり十分な額とは言えないでしょうね」(前出・社会部記者)

 補償金を支払うためか、SMILE-UP.は都心の一等地の自社ビルを売却したと報じられたが、いずれにせよ、被害者たちへの「誠意」は足りなかったようだ。

(高木光一)

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