社会
Posted on 2024年11月25日 09:58

「ご推薦枠が空きました」と煽って5000万円の「黒いお受験」/こうしてハマッた!「悪徳商法」事件史

2024年11月25日 09:58

 少子高齢化が叫ばれて久しい日本。昨今では「子供1人にかける教育費」はおおよそ1000万円と言われれるが、相変わらずなくならないのが「学校関係者に強力なコネがあるので、場合によってはお力になりますよ」などとオイシイ話で近づき、受験生の親から金を騙し取る「お受験斡旋詐欺」だ。

 小中高はもとより、幼稚園受験すら一般的となった昨今、有名幼稚園への口利き料は数百万円から数千万円単位とされる。「本当の口利き」により、金銭が学校幹部に渡されるケースはあるものの、大半は「斡旋する」と持ちかけ、自分の懐に入れてしまうケースだ。

 そんな「お受験詐欺グループ」が摘発され、巨額詐欺事件として世間を騒がせたことがある。2002年4月、有名私立校への入学斡旋名目で金を騙し取ったとして、詐欺容疑で逮捕されたのは、都内で「私学受験会」なる受験コンサルタント会社を主催していた、自称教育評論家の男と家庭教師ら3人だ。

 主犯格の男は慶應大学出身で、元大手進学塾講師。受験相談の際に「私には各学校の理事に太いパイプがある。どんな有名私立校でも紹介できますよ」などと騙り、自身の口座に大金を振り込ませていたという。

「共通する手口は、近づいた親に『もっと早い時期にご相談いただければ、確実に合格できる『ご推薦枠(裏口入学)』が空いていたんですが、すでに一杯になってしまった』と話を振る。その上で『ただし、試験の点数に上乗せする『加点枠』ならまだ間に合うので、こちらなら3000万円で用意できます』などと畳みかけて金を振り込ませるというものです。渋っている親には『奇跡です! アクシデントがあって『ご推薦枠』にひとつ空ができました。明日中に5000万円を用意してくだされば、そちらを紹介できます』と煽っていました」(当時を知る社会部記者)

 逮捕後、犯行グループが使っていた複数の銀行口座には約100億円の金が振り込まれていることがわかり、1000人を超える被害者がいたことも明らかになった。

 そんな騒動から二十数年が経過したものの、今もなおOB会や同窓会幹部、さらに受験塾関係者、政治家秘書らを仲介者にした「お受験斡旋」はあとを絶たない。

 しかし一方では、子供が受験後に「いくらなんでも、あの成績では…」と言われたり、カネを払ったことを公にしたくないことから、泣き寝入りしているケースは少なくないという。

 いよいよ私立入試が本格化する時期に突入する。カモに狙いを定めた詐欺師たちがラストスパートに向け、動き始めていることを忘れてはならない。

(丑嶋一平)

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2026年09月04日 07:00

    地上からは想像もつかない深海で、半世紀前に投棄された「核のゴミ」が静かに朽ち果てている――。米メディア「The Week」電子版が、そんな背筋が寒くなるようなニュースを報じた。フランス沿岸から約1000キロ離れた北東大西洋海域の水深約470...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    社会
    2026年09月05日 14:15

    東京都港区で8月に行われた「麻布十番納涼まつり」で、屋台の「冷やし蟹ラーメン」を食べた78人が下痢や嘔吐などの症状を訴え、3人が入院した問題で、新たな衝撃事実が判明した。東京都と港区は発症者31人と従業員2人の便からサルモネラ属菌が検出され...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    政治
    2026年09月08日 07:15

    アメリカ・アイダホ州の一部地域では、畑の土を外へ持ち出さないよう、厳しい移動制限が敷かれている。農機具も土を完全に落とさなければ、「発生地域」の外へは出せない。そこまでして封じ込めている相手が、肉眼ではまず見えない「線虫」だ。名前は「ジャガ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/15発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク