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記事全文を読む→【おむすび】3カ月経過も視聴率回復せず…プロセスを丁寧に描くことを放棄した脚本が原因だ
橋本環奈がヒロインのNHK連続テレビ小説「おむすび」が始まって3カ月あまりが経過した。週平均視聴率は初週の16.1%が最高で、以降は13~14%台を行ったり来たり。第4週には12.9%にまで落ち込んでしまった。なぜ「おむすび」は低空飛行のままなのか。ドラマウォッチャーは手厳しい。
「単純に話がつまらないということではなく、登場人物のキャラ設定が行き当たりばったりで、何を表現したいのかがわからない。ヒロインや周辺人物が悩んだり成長したりという過程が丁寧に描かれておらず、結果だけ見せられても感動しにくいのでは」
例えば、だ。主人公・米田結(橋本)の恋人で社会人野球チームのエース・四ツ木翔也(佐野勇斗)は肩を痛めてしまう。診察の結果、利き腕の肩関節唇損傷と腱板の損傷が判明。手術しても元の状態に戻る可能性は低く、プロ野球への道は絶望的だ。四ツ木は激しく落ち込んでしまった。
改めて精密検査を受け、栃木の実家で家族と話し合った四ツ木は、結との別れを選択する。
「プロ野球選手になって結を幸せにしてやりたかった。でもこれじゃ幸せにすることなんてできねえ」
と気持ちを明かしたのだ。
傷心の四ツ木は街を歩いていても野球ファンから声をかけられる機会が多いことに嫌気が差し、誰にも気付かれない別の人間になろうと、髪を金髪にしてギャル男風のファッションに身を包む。結は「ギャルなめんな」とマジ切れだ。
そんな中、ある登場人物のキャラ変に、視聴者がア然とする。結の姉・歩(仲里依紗)のかつての親友で、阪神・淡路大震災の犠牲となった真紀(大島美優)の父…靴職人の渡辺孝雄(緒形直人)だ。
娘を亡くしてから15年、商店街の心ない連中からは「辛気くさい」と疎まれていた渡辺だったが、靴のギャル風リメイクが当たってギャル連中から「ナベベ」と親しまれると、性格が一変。非常に明るくて軽い、関西風オヤジに豹変してしまったのだ。
「リメイクした靴を初めて歩に渡した時は、ようやく靴職人として再び歩き出そうと決意したところ。それがどこでどうなったのか、過程を描かずにキャラ変してしまったので、視聴者は戸惑うばかりです。このようにプロセスを語らず、結果だけポンと出されることが多く、脚本の雑な部分が目立っています」(前出・ドラマウォッチャー)
番組の制作統括である宇佐川隆史氏は、このシーンについて次のように説明している。
「いつの間にこんなに明るく…と思われるかもしれませんが、実はこれまで私たちが見ていないナベさんの姿がひとつだけあるんです。それは妻も娘もまだ生きていた頃のナベさん。その頃のナベさんは、かたくなに心を閉ざしてはいませんでした。昔のナベさんを知っている歩も、明るくなったナベさんに驚きというより、お帰りという思いがあったのではと思います。私たちがひとつだけ見ていなかった本来のナベさんが表れていると思います」
テレビ関係者がこれに呆れながら言う。
「はぁ?っと思わず声が出てしまいました。本来の性格は違うということを描きたいのなら、そうしたエピソードを折に触れて語ることが必要。心を閉ざしている渡辺は本来の彼ではないということを視聴者に共感してもらい、少しずつ本来の明るい性格が戻っていく姿を描かなければ、視聴者は感動しない。福岡県西方沖地震のエピソードをスルーした件も同様ですが、本来描くべきシーンをスルーして『あえて描かなかった』と後出しじゃんけんのように言い訳するのは、制作陣が雑すぎるのだと、演者が気の毒になります」
3月までに脚本を立て直せば視聴率の回復が見込めるかもしれないが、四ツ木の肩関節唇が回復するよりも難しいかもしれない。
(石見剣)
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