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記事全文を読む→六本木クラブ襲撃犯に「栃木強盗殺人」主導犯も…国際指名手配犯の逃亡先になぜ「カンボジア」が浮上するのか
警視庁の指名手配犯ポスターで見かけたことはないだろうか。2012年に起きた「六本木クラブ襲撃事件」の主犯格として国際指名手配されている、見立真一容疑者だ。この男がカンボジアに潜伏している――。そんな話は以前からあった。
ABEMA Primeでは元警視庁警部補で治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が「彼の逃走能力、犯罪スキルは尋常ではない」と指摘し、カンボジア潜伏説にも言及した。
もちろん、真偽は不明だ。しかし近年、「逃亡先」としてカンボジアが浮上するケースは少なくない。先般、栃木県で69歳の女性が殺害された強盗殺人事件では、事件を主導したとして国際手配されている男が中国を経由して、カンボジアへ向かったと報じられた。
なぜ近年、逃亡犯や犯罪組織の潜伏先として、カンボジアがたびたび出てくるのか。
かつて東南アジアにおける潜伏先といえば、タイのパタヤが定番だった。日本人社会が大きく、観光客に紛れやすいことから、裏社会関係者が逃亡する場所として、たびたび名前が挙がっていた。事実、2000年代までは「パタヤに行けば誰かしらいる」と、半ば都市伝説のように語られていたものである。
ところが今、実際にパタヤで話を聞くと、
「テレビで逮捕された特殊詐欺グループのメンバーらしき人物を、日本食店やサウナ施設で見かけたことがある」
そんな証言が出てきた。つまり、犯罪者と無縁の街になったわけではないのだ。
しかし同時に「昔とは明らかに雰囲気が違う」という声は少なくない。最大の理由は、タイ当局による外国人犯罪の取り締まり強化だ。入国管理システムの高度化に加え、日本や中国など各国との情報共有が進み、長期潜伏のハードルは格段に上がった。
街そのものも変化している。かつては歓楽街のイメージが先行していたが、現在はリタイア層やリモートワーカー、長期滞在者が増加。パタヤには日本人向けの飲食店や医療機関、コンドミニアムが次々と整備され、日本人YouTuberによる移住情報の発信も盛んだ。
中国系資本の流入で多国籍な人々が行き交う環境に
現地在住者が言う。
「昔は怪しい人間が目立たない場所でしたが、今は普通の日本人の方が圧倒的に多い」
かつての「裏社会の隠れ家」というイメージは消え、「移住先」「ロングステイ先」として認識されるようになったのである。
翻ってカンボジアは急速な経済成長の陰で、法執行能力や行政管理の脆弱さが指摘されてきたほか、中国系資本の流入によって外国人が急増。特にシアヌークビルやプノンペンでは多国籍な人々が行き交う環境が生まれ、「身を隠しやすい国」というイメージにつながっている。
とはいえ、だ。カンボジアも以前ほどは「安全地帯」ではなくなっている。特殊詐欺やオンライン犯罪組織の国際的な摘発が強化され、現地で拘束されて日本へ送還されるケースが相次いでいる。つまり、パタヤからカンボジアへ、という単純な話ではないのだ。犯罪者が移動したというより、東南アジアの勢力図そのものが変化した結果とみるべきだろう。
見立容疑者の所在は今も謎のままだが、東南アジアの裏社会地図を追っていくと、見立容疑者の行方とともに、新たな逃亡ルートの実態が浮かび上がってくるのだった。
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