「令和の米騒動」の次は「令和の3億円事件」。中日ドラゴンズファンを中心に、こんな自虐的ギャグが広まっている。「令和の米騒動」は立浪和義前監督がバンテリンドーム内の選手食堂から炊飯器を撤去することを指示したとされる一件だったが、「令和の3億円事件」の「犯人」は中田翔だという。
いわゆる「3億円事件」は1968年12月10日朝に、白バイ警察官に扮した男が東京都府中市で、銀行の現金輸送車に積まれた3億円を強奪したもの。未解決のまま迷宮入りした、昭和を代表する大事件だ。
では中田はというと、推定年俸が3億円だからだ。
今季の中田は開幕から絶不調。5月7日のDeNA戦を終了した時点で、21試合に出場しての打率は1割7分9厘、2本塁打で打点はわずか4である。これまでの勝負強さを買われ、スタメンではなく代打で起用されることもあるが、得点圏打率はわずか6分3厘。過去3度の打点王に輝いた勝負強い打者の面影はない。
同世代の巨人・坂本勇人や田中将大なども、今季は高年棒に見合う働きをしていない。だが中田の場合は、少し事情が違う。年俸が突出して高いからだ。
「チーム内でダントツ。2位のユニオル・マルテが1億9000万円で、中田の6割程度ですからね。年俸3億円といえば、プロ野球界全体でも14位ぐらいに相当する額。竜党のイライラの矛先が向いても仕方がないでしょうね」(スポーツ紙遊軍記者)
中田は現在の中日では数少ない全国区のスターで、オールスターのファン投票では必ず上位を占める人気選手。親分肌の性格でチーム内外で慕う選手は多いが、それとこれとは別だ。
プロ野球は実力で勝負する世界。開幕前には今季を「ラストチャンス」と位置づけており、このままでは今後の進退にかかわってくる。これから打ちまくり、こちらの「3億円事件」はスカッと解決してほしいものである。
(阿部勝彦)