小麦やトウモロコシ畑などの中に、一夜にして現れる謎の幾何学模様。それが世界各地に出現している「ミステリーサークル」だ。ただ、こう呼ぶのは日本だけであり、世界では「クロップサークル」なのだとか。
小規模なもので直径30メートル程度だが、直径300~400メートルの超巨大サイズもある。巧妙ないたずら、あるいは芸術作品の一種と言われる一方、いまだ「宇宙人が我々人類へ向けた、なんらかのメッセージ」と捉える研究者は少なくない。
そんなミステリーサークルが今年5月、英ウィルトシャー州サットン・ベニー村近郊で発見され、上空からの映像がYouTubeチャンネル「ストーンヘンジ・ドローンスケープス」に公開された。
もともとイギリスは、世界でも有数なミステリーサークル出現国。その約8割が集中する謎多きエリアが、ウィルトシャー州だ。ここにミステリーサークルが初めて登場したのが1970年代半ば。その後、たびたび現れるようになり、2001年の「ミルクヒル・サークル」は、なんと400以上の円で構成された、直径約240メートルの巨大サイズ。機械を使ってもこれをひと晩で作るのは不可能とされ、さらにサークル出現直前に光る発行物体の目撃談が多発。「宇宙人からのメッセージ説」に拍車がかかった。
2005年以降にウィルトシャー州で発見されたミステリーサークルは、記録されているだけでも、なんと380件超。古代遺跡付近で発見されることが多いが、ウィルトシャー州一帯にはストーンヘンジほか、石器時代の遺跡が多数点在することから、周辺の環境も含め、宇宙人からのメッセージ説が根強い。
今回の出現場所はストーンヘンジから20キロ地点で、中心にケルト神話の結び目のような四角形が描かれている。むろん誰が何の目的で…という詳細は不明。
この地で初めてミステリーサークルが登場してから半世紀。その不思議な模様と作者不明という謎は今もなお、多くの超常現象ファンを魅了してやまないのである。
(ジョン・ドゥ)