国民民主党の候補者たちにとっては「悲報」となりそうだ。というのも、参院選の比例代表に同党から立候補する山尾志桜里元衆院議員が事務所開きをし、ポスターの配布を急ピッチで進めていることを明らかにしたからだ。
テレビ朝日系列ANNの最新世論調査では、国民民主党の支持率は7.5%と、前回調査よりも4.2ポイント下がり、立憲民主党(10.4%)に逆転された。参院選の比例投票先でも6.9%と、これまた3.7ポイントのマイナスに。ここでも立憲民主党(9.8%)にひっくり返された。日の出の勢いだった数カ月前の世論調査はウソのようだ。
国民民主党内では山尾氏の出馬に対する、特に女性層を中心とする嫌悪感が広がったことが支持率急落の原因だ、との見方が少なくない。このままズルズルと支持率が落ちるのを食い止めるために、山尾氏が自ら出馬を辞退することを期待する向きがあるが、山尾氏の事務所開きはその期待を裏切る結果となった。
〈会見をしっかりやらなければならない。今週前半で調整中だ〉
そうXに投稿した山尾氏。自殺者まで出した過去の不倫スキャンダルを問題視され、説明を求める声が高まっていることに応えたものだが、党内には「逆効果になるのではないか」との懸念が渦巻いている。
もっとも、山尾氏の公認を決めた玉木雄一郎代表に山尾氏を降ろすつもりはなく、挽回が可能とみているようだ。ある党ベテランは、
「国民民主党バブルが崩壊したことをわかっていない代表の下で立候補する新人候補は、かわいそうだ」
と嘆くのであった。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)