支持率を伸ばしていた国民民主党が、山尾志桜里元衆院議員の参院選比例区への擁立取り消しなどで支持率が下がっていることを踏まえ、オールドメディアの中でも特にリベラルメディアが論評している。
「露呈した統治不全党内からも『SNSに翻弄された結果』」(朝日新聞)
「SNSが裏目、都議選に影響か」(毎日新聞)
といった具合だ。6月22日に投開票の都議選にそのまま反映され、国民民主党は沈むのか。それともSNSでのバッシングやメディアの報道は表面的なものであり、「手取りを増やす」という同党の主張に対し、特に30代以下を中心とする若年層の支持が堅く、踏みとどまるのか。都議選の結果は7月の参院選にも影響を与えそうだ。
朝日新聞が行った、インターネットによる都議選のトレンド調査が興味深い。告示1週間前の6月6、7両日(第1回)と、告示直後の6月13、14両日(第2回)を年代別に比較すると、40代以下では国民民主党への支持が、依然として高かった。中でも18歳から29歳では31%と、1回目の調査の23%から伸びて、自民党を上回った。
朝日新聞は山尾氏をめぐる混乱で「風向きが変わった」との懸念が国民民主党党内から出ていると報じていたが、この調査を受けて、「突如公認を見送ったことなどへの悪影響はみられないようだ」とした。いったいどちらなのか、朝日新聞自身もつかめていないようだ。
都議選において、国民民主党は当初言われたような十数議席への躍進はないとみられるが、8議席程度を獲得すれば、現有が0議席だけに、躍進といえる。そして参院選に弾みがつく。
逆に5議席以下だと「風が止まった」と言えるのかもしれない。玉木雄一郎代表も都議選が重要とわかっており、連日、国民民主党候補の応援に訪れている。
仮に国民民主党が善戦すれば、「SNS上でのバッシング」は表面的な話であり、得票には影響を与えなかった、ということになるだろう。その意味でも、国民民主党の票の出方は注目される。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)