国民民主党から7月の参院選比例代表での出馬を表明していた元衆院議員・山尾志桜里氏の公認取り消しをめぐっては、擁立を強引に進めた玉木雄一郎代表の対応に、党内外から批判が出ている。
過去に報じられた不倫疑惑などを理由に、国民民主党内から擁立反対論が相次いでいたにもかかわらず、結党メンバーでもある山尾氏にこだわり、出馬を打診したのは玉木氏だったからだ。党内の若手議員が言う。
「榛葉賀津也幹事長のネット上の人気が高まっていることへの焦りがあり、自身に近い候補の擁立にこだわったのではないか」
榛葉氏は「趣味は玉木雄一郎」と公言する。田中角栄元首相を支えた自民党の二階堂進元副総裁の「趣味は田中角栄」を真似たものだ。
プロレス好きの榛葉氏は、二階堂氏が新日本プロレスのコミッショナーだったため、
「国会議員になればプロレスラーと仲良くなれるんだ、と思ったものでした。アントニオ猪木に襲いかかり、坂口征二をボコボコにするタイガー・ジェット・シンが、二階堂進先生の前ではメチャクチャ紳士なんですよ」(昨年12月の「日刊スポーツ」のインタビュー)
と、二階堂氏を尊敬するようになった経緯を明かしている。ただ、榛葉氏は続けて、
「オチがありまして、最後に二階堂進先生は田中角栄に歯向かって、自分が総理になろうとしたんです。玉木はこの話をどう思っているんでしょう(笑)」
この冗談を真に受けたのではないだろうが、SNS上で「榛葉待望論」が出るようになったことを、ネット情報を細かくチェックしている玉木氏が気にならないはずはない。
玉木氏に求められるのは「女房役」をもう一度、信頼することだろう。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)