まだプロ野球は序盤戦だというのに、巨人の連覇に暗雲が垂れ込め始めた。6月10日からのソフトバンク戦前の時点で、首位阪神とは5.5ゲーム差。そこにまたも災難が降りかかっている。希望の星である浅野翔吾がロッテ戦で5回に右手首付近に死球を受け、「右尺骨茎状突起不全骨折」と診断されたからだ。
浅野は出場選手登録を外れて故障班に合流、リハビリに専念する。ヘルナンデス、丸佳浩らが不振で、交流戦はDHが使える状況。浅野にとっては出場チャンス到来だったのだが…。
「交流戦からある程度、試合に使っていこうとの方針が出たばかりでした。強化指定選手として打席での経験を積ませたいところでしたが、長期離脱は避けられそうにありません。打率は低いながら、狙い球の絞り方をつかみかけ、5月に2試合連続ホームランを放ちました。守備が上達してレギュラー奪取を期待されていたので、球団は落胆していましたね」(スポーツ紙デスク)
浅野は今年、オープン戦でアピールできず開幕を2軍で迎えると、そこでも不振に。迷いが生じてフルスイングできないため、タイミングが取れていなかった。
ところが駒田徳広3軍監督の指導により、スリ足から左足を上げるフォームに変えたのがハマッて、昨年のような思い切りの良さが戻ってきていた。とはいえ、手首は選手寿命にかかわる重大なケガ。焦らないことが大事だ。
浅野という希望を失い、日替わり打線で得点力が上がらない巨人は、起爆剤として不振の坂本勇人をおよそ1カ月ぶりに、1軍に緊急昇格。岡本が負傷離脱して、長野久義は大スランプで再調整中、緊急補強したリチャードは打率1割で三振を量産しまくっている。
今年は祟られているかのように悪いことが重なる阿部ジャイアンツ。まずはお祓いにでも行った方がいいような…。
(佐藤実)