マリナーズ傘下の3Aタコマを自由契約となり、新天地を模索する藤浪晋太郎が、日本球界に復帰する場合、「異例の条件」を突き付ける可能性があるという。藤浪を知るスポーツマスコミ関係者が言う。
「その条件とはズバリ、先発確約です。アメリカに行ってからすぐに先発失格の烙印を押され、中継ぎばかりやらされていましたが、本人はいまだに納得していない。とにかく先発へのこだわりが強いですからね。メジャーでの先発を夢見て海を渡ったのに、マイナーで、しかも中継ぎではもうモチベーションが保てないようです」
6月になり、メジャーリーグの勢力図は固まりつつある。ポストシーズン争いに残っているチームはなお一層の戦力補強を考え、大物選手の獲得に乗り出す。ポストシーズン進出が難しくなったチームはベテランの主力選手を放出し、将来性のある若手数人との交換に踏み切るケースもある。だが、藤浪は主力選手でもなければ、若手でもない。今後、アメリカに残っても、新天地で活躍するチャンスがめぐってくる可能性は大きくないのだ。
メジャーリーグを取材するスポーツライターもこれに頷いて、
「6月はそれなりに好調で、4試合に登板して1勝0敗。防御率は0.00でしたが、とにかく四死球が多い。計4回で5四球ですからね。相変わらず制球難は解消されていません。無失点、無失点と日本のマスコミは騒ぎますが、それは結果論。首脳陣が安心して投げさせられることにはなりません」
仮に日本球界復帰を模索する場合、
「それこそ『先発投手としての起用』という前代未聞の項目を、必ず盛り込むでしょうね。年俸に関してはそこまで高額にはならないでしょうが、なにしろ代理人が『吸血鬼』の異名をとるスコット・ボラス氏ですから、もしかすると信じられない金額を要求するかもしれない。先発で、しかも高額年俸となれば、獲得に二の足を踏む球団は多いと思いますが…」(前出・スポーツマスコミ関係者)
高校時代のライバルだった大谷翔平は、二刀流完全復活へ大きな一歩を踏み出したが、藤浪は茨の道を歩みそうである。
(阿部勝彦)