マウンドに立つ藤浪晋太郎の快速球が再び、日本を沸かせる日は来るのか。メッツ傘下3Aタコマ・レイニアーズから自由契約となった右腕の「行先」をめぐり、当初は日本ハムや古巣・阪神が本命視されたが「青いユニフォーム」の可能性が浮上している。
オリックスがメジャー挑戦の藤浪を早くからマークしていたのは事実だ。福良淳一GM自らが現地視察を敢行し、獲得調査の本気度を示したという。
オリックスは今季、3連覇を支えた中心メンバーのうち、吉田輝星や宇田川優希らが故障離脱し、ブルペンの厚みがなくなっている。特に終盤のゲーム運びを左右するリリーフ部門で、安定感のある長身右腕の補強ニーズは高い。150キロ台後半の速球とフォークを武器に、ロングリリーフだけでなく先発転向の可能性も含めて、幅広く起用できる点は大きな魅力といえよう。
元メジャーリーガーの高橋尚成氏は自身のYouTubeチャンネルで、
「もし日本に戻るなら、先発ではなく中継ぎ起用が濃厚」
と前置きした上で、古巣・阪神への復帰について、
「投手陣の層は厚い。可能性は低い」
ではどこならアリなのかといえば、
「もし藤浪が日本に戻って来るなら、オリックスの可能性は高い。森友哉捕手を擁するオリックスには話題性もあるし、復活のきっかけとしていいのではないか」
大阪桐蔭高校時代の春夏甲子園で黄金バッテリーを組んだ盟友・森との再タッグ。高橋氏はチーム側に獲得調査を行う下地があると指摘している。
だが藤浪にはメジャー移籍以降も相変わらず、制球難という大きな課題が付きまとった。
「日本の打者は選球眼が鋭く、制球面の不安は否めない」
高橋氏の分析は冷静なものであり、完全復活にはコントロールの改善が必須であると強調した。
藤浪の代理人スコット・ボラス氏は、
「日本を含め、いろいろなチームと話し合いをしている」
今後は比較検討をしつつ、待遇や起用プランなどを踏まえた上で、最終判断を下すとみられる。
仮にオリックス入りが実現すれば、高校時代の盟友との新黄金バッテリー復活への期待が膨らむと同時に、「制球難改善」へのチャレンジとなる。藤浪とオリックスの決断や、いかに。
(ケン高田)