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記事全文を読む→73歳の事件記者が不動産会社を始めた理由
フリーランスの事件記者として30年以上活躍し、73歳にして不動産会社を起ち上げた宇野津光緒さん。様々な事情で住宅が購入できない「持ち家難民」の救世主として、業界のタブーを打ち破ろうとしている。
宇野津さんが初めてマンションを購入したのは59歳のことだった。
「一般の銀行や信用金庫は会社員には手厚く、フリーランスには冷たい。収入があっても、経費を差し引いた所得が低いという理由で、融資を断られてしまったのです。そこで頼ったのが、日本政策金融公庫。住宅の3分の2を事務所に、3分の1を住まいにするという形で、東京・池袋のマンションを購入することができたのです。間取りはワンルーム。約600万円の物件でした」
宇野津さんの住まい探しはこれで終わらなかった。
「池袋から大山、東武練馬、成増、西川口、そして現在の埼玉県朝霞市に移り住むまで、11回の売買を経験しました。成増では借地権付きの戸建を560万円で購入し、600万円でリフォーム。結果的に880万円で売ったので大損しましたが、これも“授業料”と割り切っています」
これまでの売買経験で培ったノウハウを生かしたいと、昨年10月の宅地建物取引士の試験に合格し、今年5月に不動産会社「サンブンノニ合同会社」を起ち上げた。
「社名にある通り、売り主が払う仲介手数料の上限を3分の2とし、買い主は上限の半分。私が物件の売買を繰り返して感じたのは、素人にはわからない“闇”があること。家は人生最大の買い物で、購入する機会は多くて2回。不動産屋の手のひらで踊らされても気づかないケースがほとんどです」
そんな宇野津さんのもとには開業わずか2カ月で多くの相談が寄せられている。
「住んでいるマンションの家賃の値上げに直面した50代の方や『住宅ローンの融資の審査に落ちた』というシングルマザーの方もいらっしゃいました。まさに人生の崖っぷちにいる方のために事件記者時代に培った調査力と交渉力を役立てたいと思っています。その中古マンションは果たして安心安全か、きっちり調査したうえで売り主に対して値引きなどの交渉も行う。『この物件はどう?』『もっと安くならない?』といった顧客のニーズに応えるスーパーアキダイのような不動産屋を目指したいですね」
73歳の新たな挑戦が始まる。
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