芸能
Posted on 2025年08月26日 10:00

Johnny「横浜銀蝿でもう一度武道館へ」/テリー伊藤対談(4)

2025年08月26日 10:00

テリー でも、レコード会社に入ってからが、またすごいですよね。執行役員、上席役員に昇進して、系列のベルウッドレコードの社長にもなるという。

ジョニー いや、全然すごくないですけど。いろいろ経験させてもらいました。

テリー これってミュージシャンとは全然違う、サラリーマンとしての才能もあったということですよね。

ジョニー いやいや、サラリーマンとして結果が出せたのは、いろんなことがあるんですけど。信条としているのは「どんな人にも対等でいよう」というか。どんなに偉いプロデューサーにも媚びへつらうことなく、「僕はこっちのほうが音楽としていいと思います」という話はしましたし、どんな新人にも上から一方的に言うことはせず接してきました。それが信頼を得て、最終的に会社の中でちょっと偉くなれたのかなとは思いますけど。

テリー 今度はサラリーマンとして音楽制作に携わるわけじゃないですか。それは、どうだったんですか。

ジョニー もう最後の頃はけっこうツラかったですね。高校で翔君とバンドを組んだ時は、誰にどう思われようが関係なく、「自分たちが格好いいと思うことやろうよ」って始めたじゃないですか。キングレコードに入ってからも、アーティストの子と「これが格好いいんじゃないか」って現場でワイワイやってた頃は楽しかったんですけど、年齢と共に役職が上がって、1つのセクションを任されるようになると、「好き嫌い」じゃなくて、「売れる売れない」っていう視点で見なきゃいけなくなったりとか。

テリー ああ。

ジョニー あと、「部下を育てなきゃ」という視点に立つと、「これは絶対に売れないよな」と思っても、現場が真剣にやってると、「頑張れ」っていう。

テリー ありますよね。

ジョニー 最後の頃はけっこうAKB48もやらせてもらったので、俺のセクションの利益が会社の約80%という時代もあったんです。そうなると、今度は「年間これだけ売り上げを作らなきゃいけない」ということになるので、どうしても「どうすればノルマを達成できるか」という発想になっていくんですよね。

テリー 数字勝負ですね。

ジョニー だから2008年頃からはずっと家に帰っても全然音楽を聴く気にならない時期がありましたね。

テリー そうかぁ。そういうこともあって2020年の結成40周年で銀蝿に復帰するんですか。

ジョニー それがきっかけというわけではないんですけど。1998年に銀蝿が活動を再開して、それまでも何度か翔君から声をかけられてはいたんですよ。でも、俺もけっこうな決意でレコード会社に入ったので、「まだ結果も出してないのに復帰するのは違う」という気もしていたんです。ただ、その後、AKBに出会ったり、(植村花菜の)「トイレの神様」という大ヒットにも携わることができて、自分の中である程度初めの目標は達成できたかなと。そういう時に40周年やいろんなタイミングが重なって、1年間限定で活動することにしたんです。

テリー それからもう5年経って。今は45周年のツアー中ですよね。

ジョニー そうですね。今回はちょっとおもしろいコンセプトで。1983年12月31日に銀蝿は解散したんですけど、その解散ライブと同じセットメニュー、同じ衣装でやってるんですよ。なぜ、そういうことを考えたかというと、今年、俺と翔君が嵐さんの亡くなった年齢(67歳)になったんですね。嵐さんって、俺たちより3つ上で、亡くなるまで「銀蝿はこうなるんだ」っていう3年先をずっと生きてくれたんです。でも、この先は嵐さんも見たことがない景色を3人で進むことになる。だから、原点回帰じゃないですけど、そこからもう1回先を目指そうということになりました。

テリー わかりました。もうね、ジョニーさん、まだまだ格好いいから、ずっと銀蝿続けてくださいよ。

ジョニー ありがとうございます。嵐さんが亡くなる前、「もう1回武道館でやりたいな」って言ってたんですよ。それが実現できるように、ちょっと頑張りたいなと思いますね。

テリーからひと言

 もうね、ジョニーさん、格好よすぎてズルいよ。今度は大純愛で結婚した奥様との話も詳しく聞きたいよね。

ゲスト:Johnny(じょにー)1958年、神奈川県生まれ。1980年、「THE CRAZYRIDER 横浜銀蝿 ROLLINGSPECIAL」のリードギターとしてデビュー。1981年には作詞作曲を手がけた「ジェームス・ディーンのように」でソロデビュー。TBS系ドラマ「茜さんのお弁当」の主題歌に起用され、オリコン年間16位を記録するヒット曲になる。横浜銀蝿解散後も音楽活動を続けるが、1988年、キングレコード入社。ディレクターとして中山美穂、的場浩司らの作品に携わった。2019年、「横浜銀蝿40th」の際に期間限定で活動を再開。現在は「45th Live Tour『1983.12.31 Final Countdown Setlist Retry』」および「茶話会 45th地方巡業」開催中。8月24日「仙台Rensa」、9月21日「KTZepp Yokohama」。

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