芸能
Posted on 2025年09月02日 05:59

小沢仁志「ドアを蹴破って『監督よろしくな』」/テリー伊藤対談(1)

2025年09月02日 05:59

 映画やドラマで強烈な存在感を放ち、今も第一線で活躍する俳優・小沢仁志。みずからの半生を振り返った新刊「波乱を愛す」では、これまで語られなかった若き日の武勇伝から先輩たちとの交流、そして役者としての信念を明かしている。天才テリーがその激動の人生に迫った!

テリー 新刊の「波乱を愛す」、読ませていただきました。これ、いいタイトルですね。小沢さんらしい。

小沢 いや、担当がどうしてもこれにしたいって。俺は別に波乱なんか愛してないですよ。好きなのは女神なんで(笑)。

テリー アハハハハハ。小沢さんの半生を振り返る自伝ですよね。

小沢 自分は「今日よりは明日」で、今までの人生を振り返ることがなかったんですけど、この年になって、節目でいいのかなと思って。でも、活字になると恥ずかしいですね。「なんだ、こいつ偉そうに」って(笑)。

テリー 活字になると、ちょっと冷静になりますよね。

小沢 そうですね。だから、恥ずかしいのと、「生意気だな、こいつ」っていう。それがちょっとありますね。

テリー 拝読すると、役者デビューした「太陽にほえろ!」でいきなり監督をブン殴って、石原裕次郎さんに出会って、その後「スクール☆ウォーズ」に出演して‥‥大変な時期もあったと思いますけど、すごく恵まれた役者人生ですよね。

小沢 出会いに助けられてるという感じですね。でも俺らの時代、コンプライアンスなんてないのが当たり前だったから、現場での怒鳴り合い、殴り合いなんか日常茶飯事。映画のほうがヒドかったけど、テレビだってすごかったですよ。

テリー 当時はコンプライアンスなんて言葉自体がないから。

小沢 新人なんかイジメられてナンボ、それに立ち向かってナンボみたいな世界ですよね。

テリー テレビの現場はどんな感じだったんですか。僕がいたバラエティー界とはまた全然違うと思いますけど。

小沢 当時のドラマって、結局スタッフは映画の人間ですからね。国際放映でも時代劇を撮ってるし、その時のスタッフを裕次郎さんが集めてね。

テリー あの頃は映画から流れてきた人がドラマを撮ってましたよね。

小沢 そうですね。(映る場が)ブラウン管なだけで、ノリは一緒ですね。だから、こっちもまだガキのくせに、サングラスかけて、スタッフルームのドアを蹴破って、机に足を乗せて、「監督よろしくな」って先制パンチを食らわすんですよ。で、「どこに足を乗せてるんだ、この野郎!」って怒鳴られる(笑)。

テリー そりゃ、そうだ(笑)。でも、新人がそんなことやって次のオファーが来るんですか?

小沢 来ますよ。あの時代、先輩たちも含めて、街で暴力事件みたいなトラブルがあっても、みんなでなかったことにするじゃないですか。街でからまれて、「なんだと、この野郎!」ってブン殴ってもニュースにもならないし。今や酔っ払いにからまれて「ちょっとやめてくれよ」って押しただけでも、それで転んじゃったら、もうこれ(お縄のポーズ)でしょう。悪いのは向こうなのに。

テリー ほんとだよね。

小沢 だから、今は相手が殴ってきたら、当たったフリで派手に飛んで、「痛ぇ、救急車呼んでくれ。役者の顔面殴ったらいくらかかるか教えてやるよ」みたいな方向にいかなきゃいけない。もう関わりたくないんで、あんまり繁華街には行かないようにしてますね。

ゲスト:小沢仁志(おざわ・ひとし)1962年、東京都生まれ。1983年「太陽にほえろ! 」(日本テレビ系)でデビュー。翌年の「スクール☆ウォーズ」(TBS系)や映画「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズで存在感を示す。その他の主な出演作に北野武監督「3-4X10月」、TBSドラマ「ずっとあなたが好きだった」、阪本順治監督「新・仁義なき戦い。」、NHK大河ドラマ「八重の桜」など。また1995年に映画「SCORE」で初プロデュースを務めると、以降も映画製作に積極的に関わる。2021年、59歳の誕生日に開設したYouTube「笑う小沢と怒れる仁志」はチャンネル登録者数32万超の人気コンテンツに。最新著書「波乱を愛す」(KADOKAWA)発売中。

カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/9/2発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク