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記事全文を読む→小沢仁志「スターではなく役者として生きよう」/テリー伊藤対談(2)
テリー 本の中に渡辺(和子)先生のベストセラー「置かれた場所で咲きなさい」の話が出てきますよね。ずいぶんこの言葉を大事にされてるんだなぁと思いましたけど。
小沢 前から「マザー・テレサ」のドキュメンタリーが好きでよく見てたんです。それでマザー・テレサが来日した時に、彼女にいつも付いてる渡辺さんが本を出したって聞いて、読んだんですよ。俺、すごく読書が好きで、いろんなジャンルの本を読むんですけど。
テリー 実はすごくインテリですもんね。
小沢 いやいや、そんなことないんですけど。で、やっぱりどうしてもこの世界って誰もが最初はスターになりたいと思って入って来るんです。でも、やっていくうちに、何となく「あ、俺はスターじゃないな」っていうのが見えてくる。その時にその本を読んで、「あ、そうか。俺にしかできないことをすりゃいいんだ」と思い始めて、「俺はスターではなく役者として生きよう」と思ったんです。
テリー スターではなく役者。
小沢 そうです。主役だろうが、脇役だろうが同じ役者。逆に敵役よりも主役のほうがつまらないんですよ。主役ってどうしても基本線にいないといけないけど、敵役は主役を苦しめてやろうとガンガン行けるじゃないですか。
テリー もう好き勝手に暴れられる。
小沢 そうそう。主役って、その全部を受けなきゃいけないから。勝手はできないんですよ。
テリー 本の中でも「スターよりもアクターになりたい」という言葉を使われてますよね。具体的にはどう違うんですか。
小沢 存在意義が違うと思うんですよ。スターって、「いるだけでいい」みたいなところがあるじゃないですか。でも、脇はそれじゃやっていけないんで。「自分は何でキャスティングされたのか」っていう問いに毎回答えを出していかなきゃいけないんですよ。
テリー そういうことか。小沢 それでも仕事が順調に行き始めると、一度ぐらい天狗になるじゃないですか。それで若い時にちょっと痛い目に遭って、みんな大人になっていく。
テリー 小沢さんも天狗になりましたか。
小沢 いや、それがその一番いい時期に、周りにすさまじい先輩たちがいて、天狗になるチャンスがなかったんですよ。松方(弘樹)さん、菅原(文太)さん、梅宮(辰夫)さん、山城(新伍)さん。そういう人たちに「お前、何調子こいてるんだよ」って怒られるから。
テリー みんな怖かったですか?
小沢 でも、それだけじゃなくて、メシ食わせてもらったり飲みに連れて行ってもらったりした時に格好いいんですよ。存在感が完全にスターなんで。今は帽子かぶったり、マスクして、バレないように飲みに行ったりしますけど、あの人たちはそんなことしませんから。で、周りがワーキャー騒いでも、サッと手を挙げるだけで、「格好いいな」で終わるんです。すごすぎて誰も「写真いいですか」なんて気軽に近づいてこない。「やっぱり違うよな」っていう声が聞こえてくるんです。
テリー 中でも「僕は松方弘樹の最後の弟子だ」と書かれてますよね。僕も松方さんには「(天才・たけしの)元気が出るテレビ!!」ですごくお世話になりましたけど。小沢さんから見て、すごかったのはどんなところですか。
小沢 いや、何と言っても「生き様」ですよ。役者って何年もやっていれば、誰だってうまくなっていくんです。だから、最終的にはその役者がどう生きてきたかが問われることになる。松方さんと一緒に時代劇をやらせてもらった時、松方さんって、メチャクチャエロいんです。
テリー ああ、わかる。色気ありますよね。
小沢 そうなんです。ワンカットでラスト20人斬ったりする時も立ち回りがエロいんです。でも、それって技術では出せないものじゃないですか。それを盗みたくて、ずっと松方さんにへばりついて「吸収しよう」ってアンテナを広げてたわけですけど。で、自分なりにビビッと来て、何とか吸収できたんじゃないかと。それで「俺は最後の弟子だ」って言ってるんですけどね。
ゲスト:小沢仁志(おざわ・ひとし)1962年、東京都生まれ。1983年「太陽にほえろ! 」(日本テレビ系)でデビュー。翌年の「スクール☆ウォーズ」(TBS系)や映画「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズで存在感を示す。その他の主な出演作に北野武監督「3-4X10月」、TBSドラマ「ずっとあなたが好きだった」、阪本順治監督「新・仁義なき戦い。」、NHK大河ドラマ「八重の桜」など。また1995年に映画「SCORE」で初プロデュースを務めると、以降も映画製作に積極的に関わる。2021年、59歳の誕生日に開設したYouTube「笑う小沢と怒れる仁志」はチャンネル登録者数32万超の人気コンテンツに。最新著書「波乱を愛す」(KADOKAWA)発売中。
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