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記事全文を読む→「市街地でも猟銃使用可」法改正でも「砂川ヒグマハンター訴訟」が引っ掛かる根本的な大問題
新聞配達員が襲われ、学校や住宅地にまでクマが侵入する被害が全国で相次ぎ、深刻な社会問題となっている。これを受け、政府は法改正を行い、9月1日から「緊急銃猟制度」を施行。市街地に出没したクマを、市町村の判断で即時に猟銃で駆除できる仕組みを導入した。しかし現場の猟友会からは「要請があっても対応できない場合がある」との声が上がり、制度の実効性には疑問が残っている。
背景には、2018年の「砂川ヒグマハンター事件」がある。北海道砂川市で子グマを仕留めた猟友会支部長が、市と警察の要請に応じたにもかかわらず、「弾の先に建物があった」として後に鳥獣保護法違反と銃刀法違反の疑いで書類送検され、さらに銃の所持許可まで取り消されたのだ。検察は不起訴としたが、裁判では一審勝訴の後、控訴審で逆転敗訴。現在は最高裁に持ち込まれている。人命を守るために駆除に当たったハンターが、長年裁判に苦しむという前例が、猟友会の消極姿勢につながっている。
危機管理の専門家も「流れ弾による事故が起きた場合の責任が不明確なままでは、ハンターが銃を構えるのは難しい」と指摘する。
「北海道猟友会は今回の法改正でも環境省にハンターの身分保障は大丈夫なのかと何度も問いかけた。しかし、そこにいくと環境省の返答は今ひとつ歯切れが悪かったという。そのため法改正後も、結局は地元猟友会の意向尊重というトーンになったようです」(社会部記者)
統計によれば、今年4~6月のクマ出没件数は全国で約7250件(北海道・九州・沖縄を除く)と、前年同期比1.2倍。4~7月の死傷者数も55人に達し、過去最多に迫る水準だ。環境省は来年度予算に37億円を計上し対策強化を打ち出す予定というが、実際の駆除や対応は地方自治体と猟友会に依存する構造は変わらない。
人間の安全確保とクマの適切な保護管理、その両立を本気で実現するためには、国が主導する常設の責任組織を立ち上げ、抜本的な対策に踏み出す必要があるだろう。
(田村建光)
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