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Posted on 2025年09月22日 10:01

萩原聖人 30代半ばから40歳くらいまでは受難の日々!/名バイプレイヤーが語る「我が役者バカ人生」

2025年09月22日 10:01

 8月21日に54歳の誕生日を迎えた萩原聖人氏。当日、スタッフがささやかながらお祝いをしようと弊社会議室で待機していると「うわー、遅れてごめんなさい!」と、足早に飛び込んできた。20年来のつきあいがある小誌編集部員と、喫煙所で近況を語り合っていたという。そんなフラットで魅力あふれる萩原氏が俳優人生を語る─。

─タバコは紙ですか?

 1ミリですけどね、電子タバコは吸わないです。かっこよくないじゃないですか(笑)。僕は憧れから吸い始めたので、ずっと紙なんです。遅くなっちゃって本当にすみません。

─いえいえ。紙タバコ、無頼派なイメージ通りでうれしいです。一方で公開中の映画「長崎―閃光の影で―」(アークエンタテインメント)では、娘思いの敬虔なクリスチャンという父親役を演じられています。最近は“いい父親”というイメージも根強いですね。

 そうですか? でも、ろくでもない父親役ばかりですよ(笑)。いわゆる“いい父親”って、そんなにおもしろ味がないですしね。最近の悩みは、観ている方に素直に信じてもらえないことです。

─確かに、いい父親でも「何かやらかしそう」と勘ぐってしまいます。

 そう思われがちなんですよ。つまり、うさん臭いんでしょうね(笑)。ただ、人なんて大なり小なり“ちゃんと生きている人”ってなかなかいないだろうと思うし、自分の裏面との向き合い方ってすごく大事だなと思います。心の中の闇みたいな部分は、誰もが抱えていると思いますから。

─そういった人としての奥行きを感じられるのは、これまでいろいろな経験をされてきたからですか。

 今までの経験の中には、悩みやしんどさ、やらかしてごまかそうとしたり、黒歴史みたいなものがそれぞれあると思います。そういうものを笑い話にできるような人生でありたいなと、40代くらいから思いながら生きていて、実際にそんな歩みができるようになってきたと思います。

─ドラマ「若者のすべて」(94年、フジテレビ系)で主演を務められていた20代の頃の仕事観は?

 ただただ、真っすぐ。横にも後ろにも大事なものがあるのに、前しか見ていなかったですね。

─当時は「ヤンチャだった」と、振り返られていたこともあります。

“ヤンチャ”というのは都合のいい表現で、バカだったんですよね。でも、だからこそ、根拠のない自信から生まれるエネルギーが、その時の自分を作り上げている。当時の作品を観ると「すげえ、いい役者だな」と自分でも思います。

─逆に「この時は、くすぶっていたな」と感じる時期はありましたか。

 いっぱいありますよ。キラキラ輝いていた時期があったからこそ、比べてしまっていたんですね。30代半ばから40歳くらいまでかな。ほんと、苦しいなと思う時期でした。自分の中で「何をやってもうまくいかない」と思っていたんです。でもそんな時って、自分のポテンシャル以上のものが環境から生まれるんですよ。監督やスタッフ、共演者、そういった方たちと出会った時にパッとね。そういう意味では、僕はツイているんだなと思います。

─いい出会いがあったんですね。

 はい。自分が腐る前に、必ずそういうのがあるんです。その出会い自体も、事務所のスタッフを含めたみんなが「こういう萩原聖人が見たい」と思ってくれるから、引き合わせてくれるんですけどね。今は毎回ホームランは打てないけど、打席ではしっかりフルスイングできる環境にいさせてもらっています。

─腐る前に出会った作品を教えてください。

 細かいものはいくつかあって、その中でも世間的な評価をいただけたと感じた作品は、渡辺謙さんが主演のテレビ朝日開局50周年のドラマ「刑事一代 平塚八兵衛の昭和事件史」(09年)です。監督が石橋冠さんで、冠さんと謙さんの撮影スタイルがちょっと独特だったんですよ。今までにない緊張感と恐怖感があって。僕は憑依型ではなく、常に自分を俯瞰しながら演技をするんですけど、そういうものが一切ない中で、文字どおり体当たりで演じた役でした。その時の仕事が自分の細胞が生き返るきっかけになりました。

─当時、渡辺謙さんは、ハリウッドで精力的に活動されていた頃ですよね。

 そうです。だからこそ、いつもとは違う緊張感があったんだと思います。最近はどの仕事に向き合う時でも、そういった感覚に近いものが生まれている気がして、すごく楽しいんです。

─俳優業以外に、バラエティー番組「1泊家族」(テレビ朝日系)では、カメラを片手に一般の方への密着ディレクターも経験されていました。

 それねー! もっともおもしろいことがたくさんありましたが、本編ではカットされていましたね。そういう仕事でももちろん、新しいものを生み出し続けたいなと意識しています。

萩原聖人(はぎわら・まさと)1971年8月21日生まれ、神奈川県出身。ドラマ「はいすくーる落書2」(90年、TBS系)で注目を集める。主演ドラマ「若者のすべて」を大ヒットに導くなど、ドラマや映画、舞台などで活躍中。公開中の映画「長崎-閃光の影で-」のほか、10月3日より映画「By 6am 夜が明ける前に」(ギグリーボックス)が全国公開。また、プロ雀士として18年より「Mリーグ」でも活躍している。

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