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記事全文を読む→前駐豪大使・山上信吾が日本外交の舞台裏を抉る!~アフリカ・ホームタウン認定「3つの教訓」~
千葉県木更津市をはじめとする日本の4市が、ナイジェリアその他のアフリカ4カ国の「ホームタウン」となるとのニュースには腰を抜かした。長年外交に携わってきた立場から、一連の顛末の何が問題であるかを深堀りしたい。
第一の問題は、JICAや外務省といった日本側の発表と、アフリカ側の発表・理解やアフリカのみならず欧米のメディアによる受け止め方との間に大きな齟齬があることだ。
典型例が、日本政府は移民の促進やビザの緩和は想定していないと説明しているのに対し、後者は、この制度をもって日本に移住する道が大きく開かれると受け止めている点だ。
何故こんなことになるのか?
読者の中には、外交上のやり取りにつき日本側の理解と相手国の理解との間に食い違いが生じ、それが相手国と紛議を招き世間の耳目を集めたと言う意味で、日米関税合意を想起される方もいよう。石破政権の下、同様の問題が何故続出するのか?
外交交渉の結果到達した合意を相手国と確認するのは、イロハのイだ。そんなことまで碌にできない程、今の日本外交は劣化しているのか?
それとも、誰かが相手国が喜ぶような大盤振る舞いの発言をし、その結果生じた混乱を胡麻化しているのか?
疑問は尽きない。当該4市関係者、そして国民に対する説明が不十分なのは否定しようがなく、誠に残念だ。
第二の問題は、この「ホームタウン」なるプロジェクトを打ち出したJICA、外務省関係者が日本社会の常識をわきまえていないことだ。換言すれば、今の日本国民の受け止め方に驚くほど鈍感なことだ。
埼玉県川口市のクルド人コミュニティーをはじめ、身近で次々に生じている外国人問題。受け入れ能力を超えて野放図に増えつつあるインバウンド観光客がもたらす課題。これらに直面し、多くの同胞が「日本で日本でなくなる」という危機感を切実に抱いているのが今日の日本だ。
にもかかわらず、このタイミングであっけらかんと「ホームタウン」なるアイデアを打ち出す奇矯と浅慮。信じがたいものがある。
なぜ通常の姉妹都市(シスターシティ)関係では駄目なのか?なぜ特定のアフリカ4か国を対象にして、日本の4市を「ホームタウン」と銘打って売り出さなければいけないのか?
「ホームタウン」とは「故郷」であり、「生まれ育った町」だ。木更津をナイジェリア人の「ホームタウン」とするということは、そこに来て住んで欲しいというメッセージ以外の何物でもない。常人の理解を越えた発想だ。「木更津を売り渡した」「移民の拠点になる」との憂慮の声に包まれたのは、もっともだ。
第三に、おそらく一番厄介で根深い問題は、こんなアイデアを打ち出した人間は良かれと思ってやったに違いないことだ。
霞が関に40年間籍を置いた経験に照らし、「外国人を受け入れる『ホームタウン』こそ多文化共生にふさわしい」、「国際社会における日本の責任を果たす所以」などとナイーブかつ盲目的に考えている向きがいたとして驚かない。実際、岸田前総理は「多文化共生」を旗印に掲げ、日本には外国人差別があると、したり顔で述べたほどだ。
この種の発想が背後で蠢いていたことは想像に難くない。
かつて奴隷貿易に見舞われたアフリカ大陸に対し日本が責任を負うべきいわれなど、何もない。経済・社会的発展に向けた彼らの自助努力を助けるとして、日本の国益こそが判断の座標軸だ。減少する日本の労働人口を補うなどという経済的利益のみに捉われた単線思考に立って、日本社会の一体性、世界に誇る治安や清潔な街並みを損なうような愚は決して冒してはならない。
それこそが欧米社会が厳然と提示している教訓だからだ。
●プロフィール
やまがみ・しんご 前駐オーストラリア特命全権大使。1961・年東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、84年・外務省入省。コロンビア大学大学院留学を経て、ワシントン、香港、ジュネーブで在勤。北米二課長、条約課長の後、2007年・茨城県警本部警務部長を経て、09年・在英国日本国大使館政務担当公使、日本国際問題研究所所長代行、17年・国際情報統括官、経済局長を歴任。20年・駐豪大使に就任。23年末に退官。同志社大学特別客員教授等を務めつつ、外交評論家として活動中。著書に「中国『戦狼外交』と闘う」「日本外交の劣化:再生への道」(いずれも文藝春秋社)、「国家衰退を招いた日本外交の闇」(徳間書店)、「媚中 その驚愕の『真実』」(ワック)、「官民軍インテリジェンス」(ワニブックス)等がある。
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