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記事全文を読む→三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈30歳年下の上司〉
元気ですか〜!(猪木風)。還暦ブレイクを本気で狙っている三又又三(58)です。
不動産会社に就職して2年、人並み以下でもどうにかパソコンを扱えるようになりましたが、入社当時はひどいものでした。
「三又さん、ENTERキーを押してください」
30歳年下の上司がマンツーマンで教えてくれるものの、ENTERキーを押すタイミングが覚えられない。
「ENTERですよ」
やさしい敬語だったのが、
「エ、ン、ター!」
「だからENTERだよ!」
ですからね。もちろん悪いのは僕。でも、友人に熱血指導の話をすると、よく驚かれるんですよ。
「年下上司に怒られて、よく我慢できるね」
そんな時、僕は決まってこう返すんです。
「30歳年下の上司を出来の良い息子だと思ってますから。そうすると、『立派になったな』ってプラスの感情に変わるんです」
年下との付き合い方を学んだのは高校生活。2年に進級して、クラスに行くと留年生、いわゆる“ダブり”が2人いたんですけど、周囲は年上の同級生にどう接したらいいか。みんなで気を遣わなくちゃいけないから、教室の雰囲気は最悪ですよ。そういう腫れ物扱いが大嫌いで、「イヤだな〜。あんな風にはなりたくないな〜」って思ってたら、僕も3年でダブった(笑)。
そして4月の新学期、いざ年下の同級生に囲まれると、「これは1年もたないかも」と直感。自分だけ浮いているし、威張り散らそうものなら、完全に“蚊帳の外”ですからね。
そこで決意したんです。「同級生には絶対に気を遣わせないようにしよう」って。では具体的に何をするか。それは笑わせること。自分がどんなにバカで、どうしようもない人間だっていうことをさらけ出していったんです。
「え、なんで留年したかって? セックスばかりしてたからです。ナンパしてセックスの繰り返しです」
「教科書を開いたことないんですよ。女子の心から、ナニからナニまで開かせるのに夢中でしたから」
こんなネタで、年下の同級生を笑わせて、どうにか「気を遣われない先輩」としての地位を確立していったんです。今思えば、これが僕の漫談スタイルの原点かもしれません。もしも、みなさんが年下の上司と働く機会があったら、僕の話を思い出していただければ幸いです。
僕は今、漫才協会の一員として東京・浅草の東洋館の舞台に立っていますが、人前で話すのは昔から大好きでした。あれは中学1年の頃、作文が得意だった僕は校内の弁論大会に出場。当時は生徒の数も多くて1200人くらいを前にスピーチをしたんです。
剣道部に所属していた僕にはどうしても許せないことがありました。ろくに強くもないのに、威張り散らして練習でシゴいてくる先輩がいたかと思えば、厳しい練習がイヤで部活を辞めた連中が不良グループとして幅を利かせている。そんな状況が腹立たしくて、全校生徒の前で怒りをブチまけたんです。
「大した実力もないやつに限って威張る。部活から逃げた連中に限ってイキがる。みなさん! これってバカじゃないですか?」
熱弁を振るいながら、生徒たちがザワつくのをはっきり感じました。「俺たちのこと?」「ただの悪口じゃねえか?」なんて声も耳に入ってきて、「ああ、やってしまった‥‥」と後悔。それでも思いのすべてをぶつけ、大会後には案の定、上級生たちからヤキを入れられました(笑)。
こんな痛い失敗も、僕の血肉となって、漫談に活かされている。「過去の失敗談を話して」と言われたら2時間でも3時間でもしゃべり続けられますよ。それが僕の最大の武器。厳しい不動産業界で生き残れている理由かもしれません。
三又又三(みまた・またぞう)株式会社TAP所属のお笑い芸人。「踊る! さんま御殿!!」(日テレ系)、「志村けんのバカ殿様」(フジ系)等数々のバラエティーに出演。2023年より不動産会社に勤務し、芸人との二刀流で活動。今夏より漫才協会に入会。
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