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記事全文を読む→「九州には『くまモン』しかいない」は本当か…ツキノワグマ絶滅宣言が出た九州で「目撃情報」海を泳いで渡り…
北海道や本州でクマによる悲惨な人身被害が相次ぐ中、「クマなし県」の千葉県と並んで、全国的にも珍しい「クマの空白地域」と言われてきたのが九州地方である。
九州でツキノワグマが最後に捕獲されたのは1987年。その後、環境省が2012年に絶滅宣言を出したことから「九州にツキノワグマはいない」とされてきた。熊本県のマスコットキャラ「くまモン」が登場して以降は「九州には『くまモン』しかいない」とのキャッチフレーズが、観光PRに使われてきたという経緯がある。
ところが、である。実は環境省による絶滅宣言以後も、九州各地でツキノワグマの目撃情報が相次いでいるのだ。地元メディアの報道記者が明かす。
「クマの動静に関するフィールドワークを続けている専門家に取材すると、樹上に作られる熊棚をはじめとして、九州でもクマの生息をうかがわせる報告が寄せられているといいます。全都道府県における出没情報を提供しているサイトでも、絶滅宣言以後の九州での目撃情報は、30件以上に上っています。これらの報告や目撃情報は氷山の一角とみられており、表面化しないケースが数多くあると考えるべきでしょう」
そんな中、九州における新たな脅威として浮上しているのが「関門海峡を泳ぎ渡るツキノワグマ」の存在だ。報道記者が続ける。
「福岡県の隣県にあたる山口県では、クマの目撃情報が急増しています。福岡県と山口県を隔てる関門海峡のうち、最も狭い海峡部分の距離は約650メートルしかありません。これはクマなら十分に泳げる距離です。今年の10月末には長崎県西海市の崎戸島沖合で、海を泳いで移動するイノシシの姿が確認されています。『山口県に出没しているクマが関門海峡を泳ぎ渡って、福岡県に上陸するのではないか』との懸念が今、専門家や自治体関係者の間に駆け巡っているのです」
九州のツキノワグマをめぐる現況は「今そこにある危機」ではないのかもしれない。しかし北海道や本州での現状が雄弁に物語るように、不断の監視や対策を怠れば、知らぬ間に個体数の増加を招き、取り返しのつかない事態に発展する危険性があるのだ。
(石森巌/ジャーナリスト)
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