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記事全文を読む→「歌う不動産王」千昌夫が不動産事業に没頭した「夢のスタジオ」建設の天国と地獄
筆者が芸能担当をしていた1980年代の日本は、バブル最盛期だった。夜のタクシーをつかまえるのは困難で、六本木や渋谷の通りにはベンツ、BMWなどの高級車が長い列を成していた。
芸能人、著名人の派手な金使いは当たり前だったが、そんな中で次元の違う金の使い方で世間を驚かせたのが「歌う不動産王」と称された千昌夫である。
1970年に、宮城県仙台市に広大な土地を購入。この土地を担保に不動産業に没頭していき、不動産会社「アベインターナショナル」を設立。ピーク時の総資産は数千億円と言われた。筆者はこの時期、ちょっとしたスクープを報じた。
記事にしたのは1985年の夏頃だったと思う。フラリと寄った千の所属レコード会社の宣伝部の人から「千さん、六本木に何か建てるらしいよ」と教えてもらったのだ。豪邸でも建てているのかと思って、聞いていた場所に行って驚いた。なんと六本木の一等地で、現在の東京ミッドタウン近く。200~300坪ほどの敷地ではすでに基礎工事を終え、鉄骨の組み立てが始まっていた。それは巨大なスタジオで、総工費は数十億円と言われた。
なぜそれまでニュースにならなかったのかと、不思議だった。ただ、千は国内ばかりか、海外のマンションやホテルなどを次々と購入…という派手なニュースが次々と報じられ、それらと比べるとややスケールは小さかったかもしれない。
とはいえ、筆者が書いた記事はスポーツ紙や週刊誌が後追いするなど、そこそこ話題となった。
「アートプラザ1000」と命名されたこのスタジオは映像編集などを主とする、当時としては画期的なマルチスタジオ。千の大きな夢のひとつが実現したといわれる。
しかし1990年代初頭のバブル崩壊とともに、不動産価格は暴落。そのダメージはアベインターナショナルを直撃した。負債総額は数千億円と言われ、2000年に経営破綻。千の夢の象徴だった「アートプラザ1000」は売却され、2022年をもって閉館している。
(升田幸一)
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