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記事全文を読む→三又又三の「社長、前借りいいですか?」〈武田鉄矢さんに学ぶ①〉
元気ですか〜 !(猪木風)。還暦ブレイクを本気で狙っている三又又三(58)です。
今回は偉大な先輩である武田鉄矢さんの話をしたいと思います。実は僕、5年ほど前から鉄矢さんの講演会の司会を務めさせていただいて、全国各地をまわっております。
講演会の会場はいつもだいたい「地方のさらに地方」。どういうことかと言うと、たとえば北海道のオホーツク紋別空港に行って、そこから車1時間くらいのところにある町民センターとかね。新幹線の駅から車で2時間移動なんてザラ。移動中の車内やリハーサルと本番、その後の食事会と、ずーっと一緒に過ごすんです。
鉄矢さんといえば、どうしても「金八先生」のイメージが強くて“説教くさい”と思われる読者の方もいるかもしれませんが、プライベートでは“説教”のせの字も感じさせない。それどころか「これからこんな勉強をしたい」「あんなチャレンジをしたい」と、目をキラキラさせて語ってくれるんですよ。
これまで鉄矢さんが怒っているのを一度も見たことがない。
講演会の会場によっては、プロの音響スタッフではなくて、自治体の職員さんとか、専門外の人がセッティングすることもあるんです。すると、リハーサルのマイクテストで、明らかに音が大きすぎたり小さすぎたりすることも。僕なんてイライラして、「え? 何これ? 本番で失敗したらどうするの?」って不安になってしょうがない。だけど鉄矢さんは違う。
「本番はもうちょっと音を大きくしておいてくださいね〜」
こう言ってサッと引き上げる。もう完全に信頼しきって任せちゃうんです。
そんな鉄矢さんの姿を見てつくづく思いますよ。“短気は損気”って。たとえこちらが100%正しいことを言っても、表に感情を出してしまうと「あの人怒ってたね」って印象しか残らない。鉄矢さんの振る舞いは、常に冷静でいることの大切さを教えてくれます。
そして講演会の本番。鉄矢さんと仕事をして一番勉強になったのは、どんなお客さんでも、けっして自分のペースを崩さないこと。僕なんてまだまだ未熟だから、
「今日の会場はちょっと空気が重いなぁ」
「あれ? ここはドカンと笑いが来るはずなのに」
なんて思うと、その動揺が顔や態度に出たり、つい焦ってガーッとまくし立てるような早口になってしまったり。
だけど鉄矢さんはどんなにどんよりした空気でも、淡々と、そして熱く語り続けるんです。
鉄矢さんが素晴らしいのは、常に“全力”であること。ふだんの会話もそうですし、毎回驚かされるのが食事の所作。講演会の後で、仲間内で夕食をとるんですけど、鉄矢さんは何でも美味しそうに食べるんです。
「これうまいなぁ!」
すっごく感動しているから「何食べているんだろう?」って見たら、何の変哲もないサラダだったというね(笑)。でも、その食べっぷりを見ているだけで、まわりがパーッと明るくなるんです。熱燗をおちょこに注いで、口をつけて「うめえなぁ、うめえなぁ」って。まるでCMを見ているようで、思わず僕も同じ日本酒を注文してしまいましたから。
でも、これってすごく大事なことだと思うんです。
会食のマナーっていろいろありますけど、表情をいっさい変えずに淡々と食べている人と、鉄矢さんみたいに「うまい、うまい!」って言いながら食べている人、どちらと一緒に食事をしたいと思いますか? 絶対に後者ですよね。
三又又三(みまた・またぞう)株式会社TAP所属のお笑い芸人。「踊る! さんま御殿!!」(日テレ系)、「志村けんのバカ殿様」(フジ系)等数々のバラエティーに出演。2023年より不動産会社に勤務し、芸人との二刀流で活動。今夏より漫才協会に入会。
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