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Posted on 2026年02月12日 12:00

Jリーグ入場者数論争でプロ野球ファンが揶揄する「タダ券バラ撒き」はどこまで本当なのか

2026年02月12日 12:00

「またタダ券か」
「税金で建てたスタジアムの使用料くらい払えよ」
 Jリーグの開幕やサッカー国際大会など、ビッグゲームの動員が話題になるたび、プロ野球ファンからは「お約束」の批判が飛び出す。対するサッカーファンも「野球こそ水増しが常態化していた」と応戦。もはや恒例行事とも言える終わらない動員論争に、今年もまた火が付いた。

 Jリーグは明治安田J1百年構想リーグ開幕節(2月6日~8日、EAST/WEST計10試合)の入場者数が24万5501人だったと発表した。秋春制移行に伴う特別大会のため、従来のJ1リーグとは単純比較ができない。それでも1試合平均2万4550人という数字は、全国的な寒波に見舞われた状況を考えれば、十分な動員と言っていい。

 では実際に「タダ券バラ撒き」はどこまで本当なのか。Jリーグは今季も開幕・春休み期にJ1からJ3を対象に、合計15万人規模の無料招待キャンペーンを実施している。ただしこれは約2カ月間、全カテゴリーを通じた数字だ。
 開幕節のJ1に限れば、公式キャンペーンの招待枠は、横浜F・マリノス×町田ゼルビアの500組1000名など、数千人規模にとどまる。総入場者に対する割合はごくわずかで、公式枠だけをもって「水増し」と断じるのはさすがに無理がある。

 だが、話はそれほど単純ではない。各クラブがスポンサー枠として配布するチケットや、学生向けの独自招待施策は別に存在する。横浜F・マリノスの開幕戦では、サッカー協会登録チームの小中学生や高校生から大学院生向けの無料枠が設けられていた。
 一方で日産スタジアムではビジター席を中心に、空席が目立った。有料入場者の実数がどこまでか外部からは見えにくく、発表値よりさらに少ない可能性はあろう。

 批判側のプロ野球も、観客数の「見せ方」には歴史がある。NPBは2005年に実数発表へ移行し、2025年のセ・パ公式戦では過去最多の約2674万人を記録した。
 だがかつては収容4万2000人の後楽園球場で「観衆5万人」と、平然と発表していた時代があった。現在はチケット販売数ベースの集計であり、入場ゲート通過の実数をカウントするJリーグとは方式が異なる。どちらが正確かという議論は、双方にブーメランが返ってくるテーマなのだ。

 Jリーグは無料招待を単なる「バラ撒き」ではなく、新規顧客獲得のための「サンプリング」と位置づけている。スーパーの試食と同様、まずは体験してもらい、将来の有料顧客へと育てる戦略だ。事実、2025シーズンには招待経由の新規来場者のリピート率が30%を超えたと公表しており、一定の成果を示している。

 とはいえ、リピート率30%は裏を返せば、7割が戻ってこないということでもある。タダ券で来た観客が、次は自腹でスタジアムに足を運ぶのか。野球ファンとの終わらない論争は脇に置くとしても、Jリーグの真価が問われるのは、祝祭が終わった時にある。

(ケン高田)

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