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記事全文を読む→【追悼】佳那晃子「最後は伊豆の海へ…」電話もガスも止められて借金3億円を完済した「魔界転生」ヒロインの壮絶70年
その半生は「借金・病・コロナ」という三重苦に抗い続けた、まさに「魔界転生」さながらの修羅の道だったのではないだろうか。3月21日、映画「魔界転生」や「陽暉楼」、人気ドラマ「金曜日の妻たちへ」などに出演し、美人女優として知られていた佳那晃子さんが亡くなった。13年に及ぶ壮絶な闘病の末、愛する夫に看取られての旅立ち。70歳だった。
名バイプレーヤーとして活躍する一方、彼女の代名詞となったのが、90年代に世間を驚かせた「借金完済劇」だ。1990年に放送作家の源高志氏と結婚。だが同年に源氏が事業に失敗して抱えた借金1億7000万円が雪だるま式に膨れ上がり、3億円になったと報じられた。
それでも1996年2月、自宅前で記者会見に臨んだ彼女は、気丈に語った。
「どんなことをしてでも、借金は全てお返しいたします」
「離婚」という選択肢ではなく、「共闘」の道を選んだのである。往年の芸能記者が当時を振り返る。
「夫妻は持っていた4台のベンツを売り払い、彼女が出したヘア写真集のギャラも全て返済に充てていました。収入の90%以上を借金返済に回すという毎日で、銀行口座に残金がないため、電話やガスを止められることがしばしば」
会見の際は黒いダウンにアポロキャップ姿だったが、
「これは4年前に買った服で、この4年間、一度も洋服を買ったことはありません。マンションもローンが払えないので、競売で売れたら出ていくことになると思います」
先の芸能記者は、そう言って涙をぬぐう彼女の姿が忘れられないという。
そんな彼女に報道陣から「離婚は考えていないのか」との質問が飛ぶ。だが、これにひと言。
「周りから離婚を勧められたことは何度かありました。でも主人は一緒にいると楽しい人だし、2人でいてこそ一人前、みたいなところがある。2人ともネアカなので、お返しするまではなんとか頑張ろうと思っています」
その後、伊豆半島に生活の拠点を移した夫妻だったが、またも大きな試練が襲いかかる。2005年、佳那さんが腎臓疾患群の一種である、ネフローゼ症候群を発症するのだ。
懸命な治療の甲斐があり、4年後には仕事復帰したものの、2013年にくも膜下出血で倒れると、コロナ禍による面会制限が、生きる活力を奪っていくことに。なんと13年もの闘病生活を余儀なくされることになったのである。
そして今年3月8日に70歳の古希を迎え、15日には夫が78歳になった。そのわずか6日後の3月21日午前2時過ぎ、静岡県東伊豆町の病院で、全てを見届けたかのように息を引き取った。葬儀や告別式は身内だけで済ませ、遺骨は佳那さんが好きだった伊豆の海に散骨するという。
波乱万丈の物語を完結させ、最後は伊豆の海へ…。凄絶ながらも、懸命に生き切った70年だった。合掌。
(山川敦司)
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