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記事全文を読む→必ず何かが起きる!プロ野球「シーズン開幕戦」の魔力(2)ミスターの4打席4三振デビュー
ジャイアンツとスワローズ、この在京2球団の開幕戦はまだまだ名勝負を生んでいる。68年前の58年4月5日、ミスタープロ野球こと長嶋茂雄の公式戦初出場時もまた、語り継がれる開幕戦だった。
東京六大学野球で当時のリーグ新記録、通算8本塁打を放ち、大学球界のスターとして鳴り物入りでプロ入りした長嶋は、オープン戦から7本塁打と、G党のみならず、周囲の活躍への期待が高まっていた。開幕戦では3番サードで先発出場を果たしたものの、国鉄スワローズの先発・金田正一が、4打席連続三振と完膚なきまでに「プロの洗礼」を浴びせたのだ。
この初対決には前段があった。
「長嶋は開幕直前のオープン戦で、左投手を打ち崩した。その時、メディアが『開幕試合でも金田を打ち崩せるかもしれない』と報道し、それを聞いた金田が激怒していたのです」(球界OB)
当時の金田は、前年に最多勝と最優秀防御率を獲得し、2年連続沢村賞受賞とキャリアのピークにあった。長嶋がいくら期待のS級新人だったとはいえ、プロの最高峰を自認する金田が闘志を燃やしたことは想像に難くない。鬼気迫る金田の力投に巨人打線は沈黙し、長嶋は試合後のインタビューで、
「ご覧の通りです。僕に力がないから、ああいう結果が出たんですよ」
と脱帽しきりだった。だが、全打席フルスイングで三振の長嶋に金田も感じ入るところがあったのか、
「打ち気に出すぎるというか、気負いすぎていたようだが、あの振りは実に素晴らしい。絶対に油断できない」
と語ったものだ。
90年4月7日、東京ドームでの開幕戦、巨人×ヤクルトでは、同年からの「新ルール」が物議を醸した。セ・リーグで、従来の6人審判制から線審が2人減り、4人審判制としてスタートしたのだ。これが試合結果を変えることになる。
試合は、ヤクルトの開幕投手・内藤尚行が、7回まで巨人打線を1点に抑える力投を見せ、3対1でヤクルトがリードしていた。しかし8回一死二塁から打席に入った篠塚和典(当時の登録名は利夫)が、右翼ポール際に大飛球。ファウルゾーンの外野席に飛び込んだが、一塁塁審が右手を大きく回しホームランと判定される。
マウンド上の若きギャオス内藤は崩れ落ち、「ファウルでしょ!」と絶叫。同年、ヤクルト監督に就任したばかりの野村監督も猛抗議する。しかし、判定は覆らない。結局、この「疑惑のホームラン」で同点とした巨人が、延長14回に押し出し四球で逆転勝利を挙げることになったのだ。
このジャッジで東京ドームのポールは、試合球と同じ白から黄色に変更された。のちに篠塚は、
「打った本人は打球が切れていくのがわかる。だから一塁に向かう途中で止まったんだ。『これ、切れるな』って、戻ろうと思ったら、審判が手を回している。打ち直すわけにはいかないからね」
と、実際にはファウルだったと認めている。
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