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記事全文を読む→広島発「酷暑のファン付きウェア」毎秒120リットルの風が吹き出す「バートル」の「着る扇風機」圧倒的支持率
通販でファン付きウェアをポチった直後、掲示板で「バートル以外はゴミ」「30Vは本当に強い」「買い直した方がいい」という書き込みを目にして、頭を抱える投稿者がいた。
「なんで先に教えてくれなかったの」
届く前から返品と買い直しを算段し始めたという。
現場作業、草刈り、洗車、休日のツーリング、真夏の球場観戦。汗だくの下着から解放してくれるファン付きウェアは、もはや扇風機を着る感覚の商品だ。その市場で頭ひとつ抜けているのが、広島のワークウェアメーカー「バートル」である。
1958年に「クロカメ被服」として創業し、2011年に現社名へ。2017年に「AIR CRAFT」を投入した。従業員146名で、2025年11月期の売上高は348億円。前年比42%増、12期連続の二桁増収だ。地方の作業服屋を一気に押し上げたのが、この一着だった。
2026年の主役は、リチウムイオンバッテリーAC10。専用ファンと組み合わせると最大30V、毎秒120リットルの風が吹き出す。ただし「30V」は最初の1時間限定。以後は23Vに落ち、平均毎秒77リットルになる。炎天下に飛び出した瞬間に湧き出る汗を、一気に吹き飛ばすブースターと考えた方がいい。
値段も家電並みだ。バッテリー2万9700円(税込・以下同)、ファン1万3200円、AC2094ベスト6600円。しかもウェア、ファン、バッテリーはそれぞれ個別売りで、買う側が組み合わせを選ぶ。最安構成でも4万9500円、長袖ブルゾンなら5万円を超える。それでも売れる理由は、風量だけではなかった。
用途や職業に応じて「必要なファンの位置」を選択可能
圧倒的に支持される理由のひとつが、用途に応じてファンの位置を選べることだ。定番のローバックは背中の下、ハイバックは背中の上から首まわりへ抜ける仕様。職業ドライバーや重機オペレーターのように、長時間シートに座りっぱなしの仕事にはサイドバックが効く。背もたれでファンが塞がれず、風の通り道が確保されるからだ。ハイバックは「首まで涼しい」と喜ぶ声がある一方、耳の近くでファンが回るぶん「音が気になる」との指摘がある。
バッテリーとファンは「京セラ インダストリアルツールズ」と共同開発。腰まわりのポケットに大容量のリチウムイオン電池を差し込んで使う製品だけに、販売元と保証窓口がはっきりしていることは、そのまま買う側の安心につながる。
ここまで並べると隙のない商品に見えるが、使える場面は意外と限られる。外気を服の中に流して汗を飛ばす仕組みなので、気温が体温を超えれば効きは鈍る。溶接や鋳造など火気を扱う現場では、メーカーが使用しないよう警告している。着ていても水分と塩分の補給、日陰での休憩はやはり必要だ。
それでも売り場では風量、ファン構成、対応世代を突き合わせて悩む客が絶えない。汚れたら替えるだけだった作業着が、今やスマホや電動工具と同じ感覚で吟味される。冒頭の投稿者のように「なんで先に教えてくれなかったの」と嘆きたくなければ、買う前に組み合わせをきちんと確認しておかねば…。
(ケン高田)
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