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─青木さんのプロレスデビューは32歳、あのIGF(07年にアントニオ猪木が創設したプロレス&総合格闘技団体)でしたね。青木 あれがプロレスだったのかと言われれば、諸説ありますけど。なぜIGFだったのかと言うと「オファーがあったから」です。
カシン ギャラが高かったからだろう?
青木 いえ、IGFは本当にすごかったんです。単純にめちゃくちゃ面白かったというのはあります。
─異種格闘技の頂上対決とか、徹底してとんでもないマッチメークでしたね。
青木 曖昧さも、あそこまでいい加減、いい意味ででたらめだったのは、後にも先にもないと思います。
─青木さんも著書(「距離思考 曖昧な関係で生きる方法」同じく小社刊)で人生における曖昧さの妙味を書かれていますね。
カシン 俺からすれば、IGFは普通だよ。
青木 え? 1回の興行を1時間半とかで終わらせるのは普通じゃないでしょう(笑)。ただ、逆に今のプロレス団体のきっちりした興行のフォーマットには、違和感がありますけど。
─カシンさんは、06年の「HERO’S」での敗北後、「もう年だ」とコメントして、08年に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に入学しました。これは第二の人生を考えて?
カシン なんとなく修士が欲しかったんです。大学院に行けば何か学べるのではないかと思っていたので。
─青木さんも同じ早大卒。大学院に行こうとは思いませんでしたか?
青木 ちょっと考えたことはあるんですが、カシン先輩には失礼ですけど、行くメリットがないかなと。
カシン いや、そんなことないよ!
青木 教員になるのであれば、メリットは大きいと思うんです。でもMBA(経営学修士)とかを取得しない限り、行く意味ないなって僕は思ったんです。
カシン 青木くん、それはひどいよ、ひどすぎる。
青木 先輩は教員やってるからいいと思います。
─青木さんは現在、地元の静岡市在住。どんな毎日を送っているのですか?
青木 午前に2時間ほどトレーニングしたら、あとは何もしてない。「蓄えがなくなったらどうするの?」と言われますが、お金は生きていくのに必要な分あればいいという考えです。東京だとたくさん稼ぐ者が偉いって尺度だったけど、そういう世界はもういい。
カシン 43歳で、そんなに達観しているのか。
青木 先輩こそ自分の尺度で勝手にやってますよ。
カシン そんなことはない。どこへ行っても上の人が言うことを仕方なく聞いているだけなんだから。
ケンドー・カシン/1968年、青森県出身。92年新日本プロレス入門。02年に全日本プロレスを経てフリー。
青木真也/1983年、静岡県出身。03年DEEPで格闘技デビュー。修斗などを経て現在はONE Championshipが主戦場。
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