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記事全文を読む→テリー伊藤対談「桑田真澄」(2)桑田さんは巨人で変人扱いだった?
テリー そんな背景があっての「常識を疑え!」だったんだ。だから今の少年野球も、まだまだ変えていくべきところがあると。
桑田 先ほどの投球フォームの指導もそうですし、「走り込め、投げ込め」というような、練習量や長時間練習したらうまくなるという発想も錯覚です。バランスよく、少しずつコツコツやることが、僕はいちばん上達すると思っています。やみくもにやっていると故障するだけですから。どうしたらうまく捕れるか、投げられるか、打てるのか理論的に理解しながらもっと合理的に練習する必要がある。当たり前ですが、スポーツはうまくなればなるほど楽しい。だから子供たちには、ムダな時間を過ごさずに、短時間集中型で練習して、残った時間は勉強や遊びに費やしてほしいんです。
テリー それこそ夏の甲子園だと、炎天下の延長試合、しかも連日の登板もありますよね。
桑田 戦い続ける態度は確かにすばらしいんですが、僕は球数制限するべきだと思います。見る側にとってはドラマが減るかもしれないけど、無限の可能性を秘めた投手の選手寿命は間違いなく伸びる。だからプレーする選手主体で考えてほしい。監督は二番手、三番手を育成していかなきゃいけないので、指導者にとっても投球制限はプラスになると思ってます。
テリー エース以外の二番手、三番手で形勢がコロッと変われば、試合としてはもっとおもしろいかもしれないですよね。
桑田 そうなんです。点が入るので、延長にもなりにくいんですよ。日本野球の歴史を見てみますと、まず学生野球が最初にできて、今のプロ野球は60年ほどあとにできたんです。スポーツ医科学が現在ほど発展していないうえに、選手にとって学生野球は野球人生で最後のステージだった。だから肩が壊れようが、肘の靭帯が切れようが燃え尽きてもかまわなかった。でも今の時代は、高校野球、大学野球の先に社会人、独立リーグ、プロ野球があり、さらにはメジャーリーグもありますからね。
テリー 今は40歳まで野球ができますよね。
桑田 はい。野球は息の長いスポーツですから、学生の間に致命的な故障を防ぐほうがいいと思います。過去には使い捨てになった選手がいっぱいいます。でも今の時代は、少子化で野球人口も減少しています。だから子供たちの将来をしっかり守りながら、大切に育てていく理念が大事だと考えてるんですね。
テリー 桑田さんは、どのようにしてそういった考え方を身につけたんですか。
桑田 僕が現役の時には、江川(卓)さんもおられましたし、高校時代は清原君がいました。体格と技術力がある選手が常に横にいたものですから、同じ練習をしたり、ましてやその人の倍も練習したら体が壊れると思っていたんですね。対等にやるには効率よく鍛えて、練習も試合も、常に万全の状態でいようと。そうじゃないと太刀打ちできないと思っていた。そのためには常識をまず疑ってみて、自分なりに仮説と検証を繰り返してやってきましたね。例えば、プロテインやサプリメント、アイシングやウエートなどをいち早く取り入れました。
テリー 桑田さんみたいな考えの人は、当時のジャイアンツにはいましたか。
桑田 変人扱いで、風当たりは強かったですね。
テリー 変人扱いされている中で、それでも信じた道を行くというのは、精神力がいりますよね。
桑田 やっぱり「野球がうまくなりたい」という思いがありましたから。あとはコンプレックスです。自分は小さくて、超一流の技術があるわけじゃないので、「総合力で戦おう」と、ずっと考えていました。体力、技術、精神力、そして頭も使ってということを、高校時代から考えてやっていましたね。
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