市長就任1カ月が過ぎ、やつぎばやに次々と新たな市政改革を打ち出していく橋下市長。だが、ここにきて、「あいりん特区構想」でも拙速とも言える発言がたびたび取りざたされることもあった。前出・市政担当記者が言う。
「『あいりん特区構想』は当初、市長と区長兼任の直轄で西成区対策に当たるという入れ込みようでしたが、法律の問題でそれができないとなった。ですから、他の区と同様、公募した区長を選ぶということになります。西成区長への応募は、3番目に多い90人で関心が高い一方で、冷やかし半分の応募も多いと聞いています。今後、面接して適任と思った人を区長に据えてやっていくんでしょうが、今後示される区割りも含めて、まあ、海のものとも山のものともつかないですね」
まだまだ予断を許さない「あいりん地区」対策は、どうなるのか。「大阪破産」(光文社)の著書があり、あいりん地区が抱える問題にも詳しい、ジャーナリストの吉富有治氏は、今回の特区構想を別の視点で捉える。
「西成区に限らず大阪は、人と企業を呼び込まないといけないということは間違いない。しかし、現時点での特区構想は、税優遇だけではたして効果があるかは疑問です。もともと住んでいる住民や、他の区からの反発もありうるでしょう。また、あいりん地区を抱える西成区のイメージを上げ、さらに子育て世代も安心して住める街づくりを目指さないかぎり、なかなか人口も増えないでしょう。ただ、橋下さんはそういったところもわかっていて、計算してやっているんだと思います。昨年12月の就任記者会見でも生活保護の問題について言及していましたが、今回の特区構想も、国に対するアピールの側面がある。現在の厚労省の生活保護行政が抱える問題について、国に異議を申し立てる狙いです。仮に西成区で芳しくない結果が出たとしても、国の制度の甘さを、西成区の問題を通じて問題提起していくということだと思います」
最初にインパクトのある発言で世論の動向をうかがうというアドバルーンをブチ上げて、推移を見ながら修正を加えていくのが橋下政治の真骨頂でもある。だが、「大阪都」の実現の前にはこうした“現実”の問題が山積している。橋下市長の真価が問われることになりそうだ。
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