社会

花火大会大盛況の今、もう一度考えたい「安全性のハードル」

20150730hanabi

 7月26日夜、静岡県富士市・富士まつりの花火会場で、速射連発花火「スターマイン」の火花が観客に落下。7名の負傷者を出す事故が起こった。斜め打ちされた花火が十分な高さに打ち上がらなかったことが原因だと言われている。

 事故を取材したテレビ番組記者はこう語る。

「打ち上げ場所に近い迫力が人気なのですが、観客までの保安距離が富士市の場合30メートル。斜め打ちもOK。東京では40メートルの保安距離を取り、斜め打ちは原則禁止(協議のうえでの許可制)とされています」

 近年は、花火の危険性を認識していない人が増えていると語るのは週刊誌記者。

「昔は点火時の事故も多かったのですが、遠隔操作による安全な電気点火システムを鍵屋十四代目・天野修氏が85年に開発。以降、安全性が高まり、少ない人数でも打ち上げが可能になりました。それ以降、手作業による製造で量産できなかった花火も、安価な中国産が大量輸入されるようになり、花火大会開催のハードルが一気に下がったんです。80年代には名のある花火大会は20~30だったのが、いまや全国で大小1000以上も行われるようになりました。もちろん、それだけ数が増えれば事故も起きます。89年の横浜、02年の北海道での花火事故は死者も出ているんです」

 花火が直接の原因ではないものの、01年7月に観客が群集雪崩を起こして11人が死亡した事故も、忘れてはならない惨事だ。

 美しい花火が気軽に楽しめるようになったのはうれしいが、安全のハードルも下がったのでは本末転倒だ。

(大門はな)

カテゴリー: 社会   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身