芸能

「恋仲」と「デスノート」の浮上に対し「HEAT」が悪評を“火消し”できない理由

20150820heat

 今期の夏ドラマで最も話題をさらっている作品3つといえば、月9ドラマの復権を懸けた「恋仲」(フジテレビ系)、人気マンガのドラマ化である「デスノート」(日本テレビ系)、そして消防庁の全面協力を受ける「HEAT」(フジテレビ系)である。

 この3作品とも前評判や、放送当初の話題性にはかなり厳しいものがあった。だが回を重ねるにつれ、「恋仲」と「デスノート」は視聴率も回復し、注目を浴びるようになっている。

 一方で唯一、「HEAT」だけが世間の悪評を払拭できていない。それどころか、21世紀における史上最低視聴率もマークしてしまい、「恋仲」や「デスノート」との格差は広がるばかりだ。

 そんな「HEAT」の不人気に関して、主演を務めるEXILE・AKIRAの責任を問う声は日増しに大きくなっている。だがその見方に異を唱えるのは、ドラマ鑑賞歴30年のテレビ誌ライターだ。

「もちろん、ある程度は演技力も影響しますけど。それよりも視聴者を引き留められるかどうかは、やはり脚本に掛かっています。おもしろいホン(脚本)なら、チャンネルを合わせた視聴者は見続けてくれるんですよ。その点、『恋仲』と『デスノート』は頑張っていますね」

 その「恋仲」では登場人物の相関関係を描くのが巧みで、次はどうなるのかと気になってしまう。また「デスノート」では原作に忠実な展開に戻したのが功を奏し、窪田正孝の迫真の演技も相まって、物語そのものを楽しめるようになってきている。

 それに対し、どうにも視聴者を引き付けられないのが「HEAT」なのだ。そもそも消防団という設定に視聴者は感情移入しづらいし、画の撮り方も古臭い。登場人物が横に並んで順番にセリフを発していく様は、昼メロや吉本新喜劇を観ているようだ。だが、昼メロのようなドロドロの愛憎劇もなければ、新喜劇のような徹底したお笑いもないため、どこに注目すればいいのかわからないのである。

「何より疑問なのは、火災が発生しない回があることです。これではただの消防団員コスプレじゃないですか。映画『バックドラフト』のように火の恐怖を緻密に描き出せば、手に汗握る緊迫感で視聴者を引き付けられるはず。そのほうが肉体派のAKIRAも魅力を発揮できるはずなのに、なぜお茶を濁しているのかまったく理解できません」(前出・テレビ誌ライター)

 火災のシーンはスタジオ内では撮影できず、大規模なロケが必要なのはわかる。だがそんなことは最初からわかりきっていたし、消防庁の全面協力も得ているのに、消防団員が活躍するシーンがなくて大丈夫なのだろうか。自分たちのお尻に火がついている状況なのだから、見事な活躍で火消ししてもらいたいものである。

(金田麻有)

カテゴリー: 芸能   タグ: , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
2
3Aで好投してもメジャー昇格が難しい…藤浪晋太郎に立ちはだかるマイナーリーグの「不文律」
3
「コーチに無断でフォーム改造⇒大失敗」2軍のドン底に沈んだ阪神・湯浅京己のボコボコ地獄
4
【大騒動】楽天・田中将大が投げられない!術後「容体不良説」も出た「斎藤佑樹との立場逆転」
5
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係