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記事全文を読む→銘酒「獺祭」が「もはや工業製品」と嘲笑される「非幻の酒」化の裏で「宇宙醸造」計画と「海外セレブレストラン」展開
かつて「幻の酒」と呼ばれた日本酒「獺祭」が今、散々な言われようである。
「ドンキの棚に並んでる時点でありがたみゼロ」
「スマホで『だっさい』って打つと『ダサい』って変換される。もう名前が答え出してるじゃん」
SNSにはかつての銘酒を嘲笑するような書き込みが並ぶ。十数年前、居酒屋で「獺祭ありますか」と聞くだけで通ぶれた時代が懐かしい。あの頃の獺祭は、手に入らないからこそ輝いていた…。
凋落の原因は明白だ。ブランドの希釈化である。山口県の山奥にあった小さな蔵は、データ管理による四季醸造と大規模な増産体制で、純米大吟醸の出荷量日本一にまで駆け上がった。
品質を落とさずに量を増やすという理念は立派だが、結果として「どこででも買える酒」になった。イオンの酒コーナー、ドン・キホーテのプレミア棚、果てはAmazonでポチれる。希少性という最大の武器を手放したのである。酒好きが辛辣に「もはや工業製品」と評するのも、あながち的外れとは言えまい。
意識高い系の酒好きたちは、とっくに次へ移っている。いま彼らが追いかけるのは、秋田の「新政」、熊本の「産土」、三重の「而今」といった、少量生産でテロワールを語れる銘柄だ。インスタ映えする洒落たラベル、蔵元のストーリー、そして何より「手に入らない」という飢餓感。かつて獺祭が持っていた魔法を、そっくりそのまま纏っている。
信じるべきはブランド名ではなく自分の舌
では、獺祭は本当に終わったのか。答えはノーだろう。蔵元の株式会社獺祭は、すでに次の手を打っている。2023年にニューヨーク州ハドソンバレーに海外初の酒蔵を構え、新ブランド「DASSAI BLUE」を立ち上げた。会長の桜井博志氏が自ら現地に移住して陣頭指揮を執るという力の入れようだ。
さらに宇宙空間での醸造計画まで進行中だというから、スケールが違う。コンビニの棚で消耗戦を続ける気など、ハナからないのだ。海外セレブやミシュランの三つ星レストランを相手に、日本酒をグローバルブランドへと押し上げる。その壮大な絵図が透けて見える。
結局のところ、獺祭を「ダサい」と笑う声は、かつて自分が「幻の酒だ」と持ち上げた裏返しに過ぎない。酒の味は変わっていない。変わったのは、飲む側の承認欲求だけである。
今夜、本当にうまい酒が飲みたいなら、ブランドの名前ではなく、自分の舌を信じたほうがいい。その一杯が獺祭であっても、産土であっても、近所の酒屋に置いてある地酒であっても。
(ケン高田)
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