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記事全文を読む→田宮二郎の妻“没後38年目の初激白”(5)「変化していく田宮の外見と言動」
田宮の死から1年前、77年のこと。幸子夫人は田宮企画の代表として、ひとつの決断をする。社員を集めて、こう言ったのだ。
「間もなく田宮企画は1年間、もしかしたら2年か3年、閉めることになります。退職金は倍で出しますし、給料も今までどおり払います。ただ、声をかけたらすぐに戻って来てほしい」
その方針に至るまで、いくつもの“伏線”があった。まず、田宮に最も近いマネージャーが顔面マヒになったこと。田宮があらゆる現場で異常な言動を重ね、スタッフと衝突することでノイローゼになったのだという。
そして夫人が間近で見る田宮も、かつての姿ではなかった。
「田宮は、外見は派手でも中身はごく普通の人。まじめで几帳面ではあったが、相手に同じことを求めない。その思いやりは、一緒に暮らしていて疲れるということがなく、ラクでした」
それが死の数年前から一変した。これまで1度も家庭内のトラブルはなかったが、田宮の手料理を巡るささいな出来事で激高し、夫人のイスを蹴り上げた。幼い2人の兄弟も驚いていたが、誰よりも狼狽したのは田宮自身だったという。
さらに、古い友人を招いての夕食ではこんなこともあった。
「突然、田宮がテーブルに突っ伏したんです。泣きながら私たちに『うらやましい、僕はそんなに笑えない‥‥』と。さらに『料理の味がわからない』と言い出して、2階で休ませるのが精いっぱいでした」
それは「うつ病」の始まりであった。旧知の精神科医・斎藤茂太に相談すると、まだ一般的な用語ではなかった「躁うつ病」と判断された。
幸子夫人はその時になって、あらためて悔いた。来たるべき時が来たと思った。
「家族の思いはひとつで、もっと自分を大事にしてほしかったということ。そのため、この仕事が終わったら必ず休むという約束を取りつけたけど、いつも田宮に反故にされてしまったんです。過密スケジュール、過重労働は精神病を宿し、発症した時には、すでに遅かったんです」
精神だけではない。田宮の肉体も薄っぺらいものになっていたと夫人は言う。
その言葉を聞いて、筆者は驚いた。遺作となった「白い巨塔」(78~79年、フジテレビ)には、愛人・花森ケイ子(太地喜和子)とのラブシーンが何度となく挿入されている。そこで見せた田宮の胸板は、衰えを感じさせないたくましさだったが──、
「胸の筋肉はちょっとしたトレーニングで作れますが、腰から下の張りがまったくないんです。お尻が小さくなって、ズボンがブカブカに見える形」
これでは新作など作らせるわけにはいかない。夫人はメインスポンサーである「大関酒造」と、そのCMを担当する「電通」、そして「クイズタイムショック」を降板する了承を取りつけ、長期休暇への準備を万端に進めた。TBSとの専属契約も解消し、死角はないはずだった‥‥。
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