社会

元「投資ジャーナル」会長・中江滋樹 兜町の風雲児の逆襲(4)世界中の株を手放すアラブ

20160310s4th

 そして、今や世界的な“金融戦争”の時代に突入した、という物騒な指摘も。

「ヨーロッパへの難民流入問題は手がつけられない状態になっている。そのことはね、株の世界を見ていてもわかります。僕は投資ジャーナルで『アラブダラー』という本を出していたからよく知っているんだけど、アラブの王族がこのところ株を手放している。国より先に王族が売っているんだ。王族といったって、何千人もいる。その彼らが世界中の株を手放しているんだから、これはただごとではないよ。革命が起きたら王族がどうなるか、イランのパーレビやリビアのカダフィの例を見て、彼らは知っているんだ。地下の油田も、革命が起これば革命軍のものになる。そうなる前にバカバカ売っておけ、と。今、世界的な原油安になっているのも当たり前のことなんだよ。日本人は島国根性というか、情報に疎いし、情報を分析する能力もない。EUはいずれ崩壊し、中国、そして最も安い原油を売っているベネズエラが問題になりそうだ。実は、ベネズエラの債務保証をしているのが中国で、中国にはほとんど外貨がないかもしれない。いずれにせよ、世界経済は混沌としていき、混乱に向かって進んでいく。世界的な“金融戦争”の時代になり、否応なく日本も巻き込まれていくことになるだろう」

 ところで、中江氏の株の師匠は、高校時代から会員になっていた投資顧問会社、三愛経済研究所の所長だった。

「東京に出てきて、市場新聞、大和証券、野村証券、山一証券などの証券界トップと交流を持った。まだ20代の若造だったが、トップ同士の勉強会にも出席して企業情報を聞き、それをもとに相場観を述べ、的中すると僕の評価は動かしがたいものになっていった。僕に言わせれば、黒田総裁の参謀と言われる連中が描いているのは、頭の中の相場なんだよ。したがって、右肩上がりの時代にはわかるけど、そうでないと、まったく見当違いな読みをする。そこへいくと、僕は小学校の頃から自分でリスクを背負い、コストと能力を駆使して実際に信用取引をやってきた。頭の中だけの世界とは違うんだな」

 中江氏は、たまに会う昔の部下に「会長、もう一度返り咲いてくださいよ」と言われることがあるというが、

「それにはちゃんと理由があるんだよ」

 と胸を張るのだった。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身