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記事全文を読む→俺たちをトリコにしたオール「特撮ヒロイン」(4)「高田美和・片岡愛之助の養母が挑んだ異色時代劇の壮絶撮影」
東宝に負けじと、老舗の大映も特撮映画に乗り出した。平成シリーズも作られた「ガメラ」、そして強烈なインパクトを残した「大魔神」(66年)である。第1作のヒロインには、お姫様女優で人気だった高田美和(69)が扮した。
このところ高田は、藤原紀香との結婚を控えた片岡愛之助の養母として再び注目された。
「彼は梨園の出ではありませんので、高校生の時に『芸養子』という形で迎え入れたんです。やがて彼のご両親が立て続けに亡くなられ、本当の『養子』として面倒を見ました」
愛之助が歌舞伎役者として修業に励んだのと同じ19歳の時に、高田は「大魔神」に出演する。役どころは城主の姫君でありながら、悪家老の謀反によって兄とともに身を隠す小笹という娘だ。
「私は時代劇がやりたくて大映に入りましたので、この作品でも特撮とはいえ時代劇。特別なこととは思わず、撮影に入った記憶があります。スタッフの方々も、すごい意気込みという感じではなかった」
悪家老の圧政に城下の領民は苦しみ、小笹の兄も捕らえられて処刑を待つ身に。丹波の山奥にまつられていた武神像に祈りを捧げると、怒りの魔神に姿を変えた。
「大魔神が登場する場面では、大型の送風機でものすごい量の粉塵を飛ばすんです。私、もともと目が大きいうえに、監督から『目を開けて!』とずっと言われていて、どんどん粉塵が目に飛び込んでくるんですよ。風圧だけでもすごいのに、目が痛くて大変でした」
高田が驚いたのは、大魔神のスーツアクターを務めた元プロ野球選手・橋本力の鬼気迫る演技だ。実は目の部分は本人のままなので、高田以上に粉塵が目に飛び込む。
「目が真っ赤に血走って、終わったあとも『痛い、痛い』と苦しそうにしているのに、それでも目を閉じたりしませんでした」
それが大魔神の異様な迫力につながっている。さて映画は、大魔神が悪家老の一味を退治したものの、もはや“暴走モード”と化して、領民の家まで破壊にかかった。
「そこで私が大魔神の足もとにしがみつき『怒りを鎮めてください』とポトリと涙を落とすんです。実際には大きな足の模型だけがあるんですが、大魔神の顔がどの高さにあるのかわからず、見上げる首の角度にとまどいましたね」
さらにロケは奈良の山中が多く、そこかしこにヒルの群れがいたそうである。大映にとって初めての試みであった特撮時代劇は、当時の配給収入で1億円の大ヒット。全3作のシリーズ化も決まった。
「大魔神といえば、これまでにないブルーバック合成が売り物でしたね。かなり大規模なライトスクリーンまで用意されていました」
そのライトスクリーンが再び活用されるのは、妖怪ブームの先駆けとして公開された「妖怪百物語」(68年)で、高田はこちらにも出演している。
「一つ目小僧や油すましなどいろんな妖怪が出てきましたが、通気性のよくない素材だったので、中に入る役者さんは本当に大変そうでしたね」
高田が特撮の門をくぐった「大魔神」の公開から、ちょうど50年である──。
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