政治

猪瀬直樹が「尖閣奪取」の秘策を明かした(3)

橋下市長は「やれると思う」

──地下鉄一元化プロジェクト、高齢者のケアつき住宅、そして今、電力改革をやっているわけですね。石原知事と猪瀬さんとで、考え方の違うことはあるんですか。原発については、どうなんですか?

 原発はね、単純な話で、東京電力という会社のガバナンス(企業統治)がないからだよね。地域独占であぐらかいてるわけでしょ。九州電力のやらせ問題の時、九電の会長が出てきたけど、あれはどう見ても田舎の殿様って感じだよね。どっかズレてる。だから独占企業体ってのはズレてるんですよ。東電は都会だけどやっぱりどっかズレている。普通の会社とは違うわけだよ。東芝でもテレビ製造から撤退しなきゃいけないとか必死なわけでしょ。東電ってそういう危機感など何もない。するとそこにいる人間は殿様になっていく。目の前に人が倒れてもまたいでいくような人間が出来上がってくるよね。それが事故の原因。これまで、もし津波が来たらとかさんざん言われていたわけだから、普通の会社だったら直してる。

──大阪維新の会の橋下徹大阪市長をどう評価していますか? 橋下さんが動いて石原・橋下連合と言われていますけど。

 彼は、できますよ。4年近く知事をやったわけだから。橋下さんとは大阪府知事に就任する直前に『中央公論』で、知事時代には『文藝春秋』で対談している(ちくま文庫『霞が関「解体」戦争』所収)。彼のやっていることの情報は基本的にそういう対談からも得ているよ。二重行政の問題とかね。これから経験を積んでいくと結構やれると思う。

──政界の今後を、どう見ていますか。

 野田さんがブレないので、野田さんの評価は上がっていますよ。でもその程度のことだよね、だから、いつ解散かっていう話でしょう。

 野田さんは、今解散すれば橋下市長はじめ、新勢力が出てきて、既得権益者の民主がいちばん損するからね。かといって、あまり解散を引き延ばせば麻生政権と同じことになる。なら早くやっちゃったほうが‥‥という判断すらできなくなっている。どっちの判断もできず、ズルズルいっているだけでしょう。要するに意志があって遅れているんじゃなくて意志がなくてでズルズルきてる。

 こういう状況だからこそ、石原さんが必要だ。僕はいい意味で言えば、石原さんは最後の「元老」だと思うよ。つまり、昭和の時代に内閣がコロコロ代わり元老がいなくなって最後の一人になり、それも消えちゃった。で、訳わからなくなって漂流したでしょう。現在は、まさに森喜朗さんも一種の元老なんだろうけど、人望はないしね。

──「元老」ってことは、石原都知事本人は総理になる気はないんですか?

 わからない。「元老」がどう動くかは。ただし尖閣のことについても「こうだよ」ってはっきり言えるような人が日本にいなきゃいけないわけでしょう。それが、石原さん一人しかいなかったということですよ

カテゴリー: 政治   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
4
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
5
「これは…何をやってるんですかね」解説者がア然となった「9回二死満塁で投手前バント」中日選手の「超奇策」