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記事全文を読む→早世のマドンナたち② 可愛かずみ(2)
「あれだけ純真な子はいない」
可愛のデビュー作の公開から5年後、俳優の下元史朗(現在は史朗)は、京王線の車内でばったり可愛と再会した。
「今から思えば、あの映画はもう少し一生懸命にやればよかった」
可愛はそう打ち明けた。あの映画とは「セーラー服色情飼育」のことであり、史朗は初めてのベッドシーンの相手役だった。
「やっぱり、いい子だなと思いましたね。1本しか出ていないピンク映画を否定することなく、ちゃんと反省するんですから」
史朗は当時、ピンク映画の世界では大杉漣と並ぶ売れっ子で、何年にもわたってピンク界の主演男優賞を手にしている。可愛との共演の1年前には、美保純のデビュー作でもお相手を務めていた。
「美保純はあっけらかんとした子だったから、ほとんど気を遣うことはなかった。それが可愛かずみになると、あれだけ純真な子はいなかったから、合間に下ネタでリラックスさせる僕の得意なパターンも使っていない。その10年後あたりはAVでも可愛い子は増えたけど、あの時代で言えば顔も体も、あの子以上の子はいなかったですよ」
ピンク映画の現場では40年近くを過ごした史朗だが、最も魅了された女優が可愛であると言う。
やがて可愛はシブがき隊主演の「ヘッドフォン・ララバイ」(83年/東映)に出演。この作品への出演を紹介したのは前出の渡辺護だが、一般作ということもあって、その喜びようは印象深かった。「えっ、本当ですか?
うわっ、うれしい。私、頑張る!」
渡辺はピンク映画と一変する表情に内心、気落ちしたが、それが可愛かずみの進む道だろうと納得する。さらに可愛をメジャーな女優にしたのが、深夜の実験的なドラマだった「トライアングル・ブルー」(84年/テレビ朝日)である。とんねるずが主演で、可愛は川上麻衣子とともに女子大生役のレギュラーになった。
「私が18歳でかずみちゃんがハタチになったくらい。でも最初はお互いけん制し合ってました。彼女は脱ぐ仕事を辞めていて、私は逆に映画や写真集でヌードになることが増えていた。そんな2人が共演するとは思わなかったから‥‥」
川上麻衣子は、可愛との初顔合わせがぎこちなかったことを明かす。それが気がつけば、四六時中、行動を共にする仲となった。ドラマの収録は火曜日だったが、月曜の夜からお互いの家に泊まる形で臨んだ。歌のうまい可愛のカラオケにつきあい、酒豪で知られる川上のペースに可愛がついていった。
「ドラマが終わっても仲がいいままで、ついには同じマンションの隣の部屋に引っ越して。ベランダから彼女の部屋に行ったこともあったくらい」
よく飲み、よく笑い、よく話し‥‥ただ純然と楽しい日々だった。
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