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死んでも「アイツ」に勝ちたかった【9】 岡留安則 森総理の「買春検挙歴報道」提訴に徹底抗戦!(1)

時の内閣総理大臣が、若かりし頃の下半身スキャンダルを暴かれて、「事実無根」と裁判ざたに発展した。最終的には和解勧告がなされ、醜聞の事実関係はウヤムヤとなったが、タブーなき月刊誌を率いた名物編集長は、敢然と権力に立ち向かったのである。

笑い飛ばせばよかったのに

 森が次の衆院選への不出馬を表明したね。「若い人に道を譲ることが大事だ。次の総選挙に出ることを見合わせたい思いでいる」なんて言ってたけど、まあ実質上の引退宣言だろうし、このニュースを聞いて「ようやく勝った」って思うことができたかな(笑)。

 それにしても不思議なのは、なぜこの時期に引退を決めたのかってこと。森は自民党と民主党の大連立を唱えて暗躍するなど、相変わらず生臭く動いていたし、もう1期はやると思っていた。次の選挙にしても、森の対抗馬として名前があがっていたのは民主党の田中美絵子。彼女は先日、国土交通省のキャリア官僚との不倫現場をスッパ抜かれているし、消費増税法案では小沢に造反して賛成票を投じ、離党もしなかった。

 前回の選挙は「小沢ガールズ」の追い風に乗って当選したけど、今回は党としても個人としても大きなダメージを負っている。そんな状況を考えれば、森は次の選挙でも十分に勝算があったはずだ。なのに、引退を決めたという裏にはいったい何があったのか。気になるところではあるね。

 ジャーナリズムの最前線から一歩引いた今でも、物事の裏側にある“真相”を見抜こうとする鋭い視線は健在だ。岡留安則氏(64)は、タブーなき伝説の月刊誌「噂の眞相」(以下、噂眞)の経営者兼編集長として活躍した。噂眞はスキャンダルを武器に、数々の政治家や有名人たちの「本性」を暴いてきた。

 同誌は惜しまれながらも04年4月に黒字休刊しており、現在の岡留氏は沖縄在住。基地問題をはじめとする沖縄が抱えるさまざまな問題を、ブログや連載、著書などを通じて発言を続けている。

 そんな岡留氏率いる噂眞と激しい裁判闘争を繰り広げた“因縁の相手”が森喜朗氏(75)だった。

 2000年5月。噂眞は時の内閣総理大臣に関するスクープ記事を掲載した。タイトルは「『サメの脳ミソ』と『ノミの心臓』を持つ森喜朗“総理失格”の人間性の証明」。

 この刺激的なタイトルの記事は、森氏が早稲田大学在学時に遊びに行った非合法の青線地帯で、現在の売春防止法に当たる売春等取締条例違反で検挙されていたことを報じたものだった。

 記事によれば、58年2月17日から18日にかけて、警視庁は売春業者の一斉摘発に乗り出した。結果、業者や客など計18人を検挙。客のうちの一人が、まだ20歳の森氏だったというのである。

 森はあの記事が出た時に「学生時代のことだし、若かったゆえに犯してしまった過ちで、今は反省している」と言って、過去を率直に認めたうえで笑い飛ばせばよかったと思うよ。容疑自体はそれほど目くじらを立てるようなものではないからね。

 ただ個人ならともかく一国の首相に検挙歴があったという事実は、やっぱりとんでもないこと。記事は総理に就任した森の人間性を国民に知らしめることが第一の目的だったけど、もしこの情報が外国の情報機関に知られでもしたら、政治的な取り引きに利用される危険性も十分あったからね。今はずいぶん軽くなってしまっているけど、国民の代表である総理の存在というものは本来それくらい重いものだ。

 もちろん、記事の信憑性には絶対の自信を持っていた。取材では森が検挙されていた証拠として「事件番号」や「事件カード」に記載された森の指紋番号までキッチリと割り出している。警察のデータベースと照会できたわけじゃないけど、それが真実と確信できるだけのウラ取り取材を積み重ねていたからね。

 

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