エンタメ

死んでも「アイツ」に勝ちたかった⑩遠山奬志(元阪神)松井秀喜を手玉に取った「左キラー」の生き様!(4)

ホームランを打たれて終戦

 そんな遠山と松井の戦いも02年7月5日、東京ドームで放った松井秀喜のホームランで幕を引く。

 ホームランを打たれた時は、さっぱりしたものです。豪快なホームランでしたから、気持ちよかったんです。翌年には彼、メジャーに移ってるでしょ。「ああ、これで松井君も心残りもなくメジャーに行ける」とまで思いました。抑えることもあれば打たれる時もあります。それがプロの世界ですよ。

 この年、ついに遠山は座骨神経症を理由に引退を表明する。くしくも同時期、松井はニューヨーク・ヤンキースと3年総額2100万ドル(約25億4100万円)の契約を果たしている。松井は遠山の引退を見送るかのようにして、翌年から戦いの場をメジャーに移したのだ。

 以前から、座骨神経症の痛みはあったんです。それが02年には、まともに走ることさえできないぐらい悪化していた。座っていても寝ていても体がしびれる。

 そんな時に当時の監督だった星野監督から「来年は契約しない」と聞かされて、引退を決意しました。

 僕自身も、この状態で現役を続けても、対戦するバッターといい勝負ができないと考えて決めたんです。星野さんは「他の球団にも声かけてみようか」と言ってくれましたが、僕は現役を続けるつもりはなかった。これまで嫌というほど自分の体をいじめてきましたから、もう十分だなと。辞めると決めたら、肩の荷が下りた感じはしました。ここまでよく頑張ったと、ほっとしたような気持ちになりましたね。

 98年から02年まで松井を苦しめ続けた「松井キラー」は、自身がユニホームを脱ぐ決断をした当時を懐古しつつ、今、厳しい現実にぶつかっている松井にエールを送る。

 今になってみれば、松井君との対戦は僕の宝物です。今は彼の一ファンとしてプレーを見ています。だから、松井君にはしっかりと準備をして、まだ野球選手として頑張ってほしい。

 まだ38歳。今は40歳になっても現役を続けている選手だっている。できれば、日本に戻って来てほしい気持ちもあります。そうなれば、やはり巨人ですかね。大きな体に豪快なホームラン。あの松井秀喜を、今の子供たちにも見せてあげたい。もちろん、日本に戻ってきても、メジャーに挑戦し続けても僕は彼を最後まで応援し続けたいです。

カテゴリー: エンタメ   タグ:   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
大谷翔平が「嘘つき」と断言した元通訳・水原一平の潜伏先は「ギャンブル中毒の矯正施設」か
2
【ボクシング】井上尚弥「3階級4団体統一は可能なのか」に畑山隆則の見解は「ヤバイんじゃないか」
3
リストラされる過去の遺物「芸能レポーター」井上公造が「じゅん散歩」に映り込んだのは本当に偶然なのか
4
舟木一夫「2年待ってくれと息子と約束した」/テリー伊藤対談(3)
5
JR東日本に続いて西と四国も!「列車内映像」使用NG拡大で「バスVS鉄道旅」番組はもう作れなくなる