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記事全文を読む→死んでも「アイツ」に勝ちたかった⑩ 遠山奬志(元阪神)松井秀喜を手玉に取った「左キラー」の生き様!(1)
まさかの戦力外で去就が注目されるばかりの松井秀喜が、メジャーに挑戦するはるか前の話。日本の各球団が手を焼くばかりだった左のスラッガーにも、顔を見たくないほどの天敵がいたのである。左のサイドスローから内角への厳しいシュートで松井を翻弄した、元阪神・遠山奬志を忘れてはいまいか。
13打席無安打に抑えた1年
マウンドで監督のサインを見た瞬間、目を疑いました。いくら僕との相性が悪いといっても、向こうは仮にも巨人の主砲。プライドだってありますからね。正直、「これは松井君も怒るだろうな」と思いましたよ。ただ、気持ちはすぐに切り替えられました。こっちはいつ二軍に落とされるかわからない立場なんで、とにかく必死でしたから。
99年6月13日、対巨人戦。大一番の勝負に、甲子園は割れんばかりの声援で覆われていた。というのも、7回裏二死三塁という場面で、阪神は代打の石井浩郎を敬遠。3番・松井秀喜(38)との勝負を選んだからだ。当時、松井は25歳。すでに球界を代表するスラッガーに大成し、前年には本塁打、打点王の二冠に輝いている。
遠山奬志(45)は、その松井をおもしろいように手玉に取っていた。この日も外に逃げるスライダーで簡単に追い込むと、いつものようにインコースのシュートで空振り三振。大歓声の中、何食わぬ顔で遠山がマウンドを降りると、松井はその姿をニラむことしかできなかった。
投げる前から松井君が怒っているのは、はっきりとわかりました。打席に立つ顔つきもいつもと違いましたよ。高校生の時には明徳義塾と対戦して、5打席連続敬遠をされているような選手ですから、よけいに腹が立つでしょう。バッティングもいつも以上に力んでいた。「絶対に打ってやる!」という気迫を感じましたね。でも、試合をする以上はガチンコ勝負。キャッチャーの矢野が僕の所まで来て、「遠山さん、フォアボールとかは気にせず、初球は様子を見ましょう」と言いましたが、こういう場面では全てが勝負球なんです。様子見で投げてしまうと、どうしてもボールが甘めに入ってしまう。あの時はこちらも「絶対に抑えてやる」と気持ちだけで投げました。だから、投げ終わった時の疲労感は尋常ではなかったです。
遠山は99年の1年間、松井を13打席ノーヒットで抑えるなど、対巨人戦の左打者に対して抜群の強さを見せた。こうして遠山は「松井キラー」としてファンからも認識されるようになったのだ。
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