芸能

ビートたけしの名言集「若手芸人をバッサリ斬りまくった生放送」

「次もまた、あの形でやれんだろ」

 去年の暮れ、深夜2時からの生放送。TBS系「ビートたけしのフランスは本当に勲章をくれたのかTV」放送後、2日程たってから殿にお会いすると、“やってて面白かったし、手ごたえあったな”といった感じで、先の発言を漏らしたのです。殿がいたく好感を持った番組の内容をざっと説明します。

 殿&たけし軍団総勢11名がこたつに入りながら、次から次へと登場する若手芸人のネタを生放送で見る。その合間にあらかじめ収録していた、「ボーリング玉・サッカー」「熱湯早飲み選手権」といった、軍団ならではの「痛い!」「熱い!」「殺す気か!」といった言葉が飛びかうVTRを流す1時間半の番組。で、今回は何といっても、殿の希望により開催した、若手芸人のネタ見せゴングショーです。

 スタジオに集まった総勢60組の若手芸人が、最大30秒のネタを披露。が、殿がつまらないと判断した瞬間、幕が閉まり、強制終了となる。で、そのほとんどの芸人が、10秒ともたず、ネタを披露することなく終わったのでした。

 こういったゴングショー形式では、殿のタイミングで幕が閉まる瞬間こそが最大のツッコミであり、それこそが一番の爆笑ポイントです。ですから、芸人さんには少々残酷ですが、ネタどうこうより、“幕の開け閉めの間”を楽しむコーナーなのです。

 幕が開き芸人が登場。自己紹介の後、さーこれからネタをやるぞ! といった瞬間、“もう充分だ!”といった顔つきの殿がボタンを押して幕を閉める。すると軍団全員が一斉に、「殿! まだ何も見てないじゃないですか! いくら何でもそれはないでしょ!」と。それに対し殿は自由奔放な解説を入れながら、見た目一発の印象を述べるのです。やや男前のピン芸人には、

「こいつは女だまして平気でヒモをやるタイプだな!」

 実際に夫婦だというコンビには、

「あいつらは二人で出家しろ!」

 等々、終始、“たけし印全開”な生放送でした。

 で、真夜中3時半。放送終了となり、演者&スタッフ全員で、スタジオにて軽く乾杯となったのですが、その時の殿のあいさつが、これまた実に“殿”でした。

「今日はネタができなくて嫌な思いをした芸人さんもいっぱいいたと思います。ただ、今回はこういう趣旨の番組ですから、そこはちょっと理解してもらって‥‥。だけど芸人というのは、その場の空気や、番組の流れを理解して、その場に合った1分ネタ、3分ネタを用意して戦っていくのがテレビのやり方ですから、まー今日は、それを教えるためにやったようなもんかな? と。まっ、とりあえず皆さん、お疲れ様でした。乾杯!」

 最後に若手芸人をのきなみとろけさせ終える殿。いつだって、ちょっと残酷でしっかりと優しい殿。もうですから、つまり、それが、殿なのです。

ビートたけしが責任編集長を務める有料ネットマガジン「お笑いKGB」好評配信中!

http://www.owarai-kgb.jp/

◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!

カテゴリー: 芸能   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
タモリが「後継指名」する大物アイドル(1)「ブラタモリ」終了のワケ
2
水谷隼がバラした「卓球界ははいてない人ばっかり」で平野美宇や石川佳純は…という素朴な疑問【アサ芸プラス2024年2月BEST】
3
タモリが「後継指名」する大物アイドル(2)終活を決意させた夫人以外のキーマン
4
掃除機をかけたら家中に大繁殖!この春に知っておきたい「トコジラミ対策」
5
【旅番組の暗黒部】太川陽介とは大違い…的場浩司「スタッフを恫喝」で食事抜きを強要【アサ芸プラス2024年2月BEST】